<キーワード>
絶対的貧困と相対的貧困 子どもの貧困の背景と「見える化」 国内外の子どもの貧困対策の歴史と現状 貧困状態にある子どもへの支援者としてのソーシャルワーカー 子ども食堂などの地域での支援の実践
<内容の要約>
本科目は、各種データから日本の子どもの貧困の現状や背景を「見える化」すること、また、子どもの貧困の解決を志向して実践している専門職、地域活動実践者や行政の政策担当者等のゲスト講師の話や受講生同士のグループワークを交えて主体的に取り組む内容となっていること等に独自性があります。子どもの貧困の解決は、子どもの人権保障という点からも、社会の持続的発展という点からも、その解決が不可欠な課題です。いまの日本では、子どもの7人に1人が相対的貧困状態にあり、とくに、ひとり親世帯の子どもの相対的貧困率は先進国の中で最悪というデータもあります。さらに、2020年に入って以降は新型コロナウイルス感染症の影響が追い打ちをかけています。具体的な講義の流れは、まず、先行研究、調査データや行政統計等から、子どもの貧困の定義・現状・歴史と背景、海外との比較等を学びます。つぎに、ゲスト講師による講義も含め、施行されている「子どもの貧困対策の推進に関する法律」や様々な「子供の貧困対策」を子どもの育ちや人権保障という視点から把握します。さらに、子ども食堂など全国各地での住民参加の支援活動のあり方を参照しながら、グループワークによる支援内容の企画提案を通して主体的に考えていただきます。2015年9月の国連サミットで採択され、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた17の目標(SDGS)の第1番目の目標は「貧困をなくそう」です。そこでは、あらゆる場所、あらゆる形態の貧困の解消が目標とされていますが、その中でも子どもの貧困は最優先して終止符を打つべきことと考えています。
【日程・スクーリング会場】
https://www.nfu.ne.jp/open/image/lesson/schooling_schedule.pdf
※変更の場合は随時お知らせします
<学習目標>
@子どもの貧困の定義を把握するとともに、その現状と背景について各種データを踏まえて説明できる。 A相対的貧困が子ども自身の成長や社会の持続可能性に及ぼす影響や課題を理解し、対策や支援において重視するべき方向性を見出すことができる。 B日本における子どもの貧困対策のメニューの特徴や地域での住民参加の支援活動の意義を説明できる。 C子どもの貧困に終止符を打つための実践のための第1歩を踏み出すことができる。
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