科目名 地域開発論

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 3 後期開講 吉川 貴代

テーマ
基礎自治体である市町村において、住民・行政・民間主体(社会福祉法人、NPO、企業など)が、どのように協働して、さまざまな福祉的課題に取り組むのか、実例を通じて学ぶ。

科目のねらい
<キーワード>
地方自治  市町村の政策形成
公務員  地域コミュニティ・住民
人口減少社会

<内容の要約>
本講では、住民にとって最も身近な基礎自治体である市町村における福祉のまちづくりを地域開発と位置づける。近年の福祉的課題に対して、市町村がどのようにプランニングし、多様な主体とともに実践しているのかを、市町村職員という実務者の視点から、実例をもとに解き明かす予定である。日本は人口減少・少子高齢化社会であり、さらに2020年から長引くコロナ禍において、人と人の付き合い・関係が希薄になり、リアルの地域コミュニティは弱まり、生活困窮に陥る人が増え、生きづらさがクローズアップされている。テレビや新聞などで報じられる市町村は、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種や災害発生時の避難所運営などにみられる危機事象への対応にフォーカスされている。しかし、実際は、危機事象への対応をしながら、福祉やコミュニティ政策を地道に展開している。政策形成・実践は一朝一夕でできるものではなく、各市町村で実務を担う職員(公務員)が、政策を過去から未来へとつなげている。そこには、住民、多様な主体との連携・協働があり、一人ひとりの命を守り、地域社会をともに作るという地域開発が存在している。以上のことを、地方自治や福祉の制度をもとに、教員の長年にわたる市町村職員としての実務経験や全国の市町村職員のネットワークをベースに授業を展開する。

<学習目標>
市町村における福祉政策の形成と実践について、具体的事例を通じて理解できる。
市町村の福祉政策を担う職業人としての視点を持ち、政策を提案できる
政策提言にあたり、行政・住民・多様な主体との連携、調整について述べることができる。

授業のながれ
オープニングガイダンス:地域開発として市町村の福祉に関する政策形成と実践にフォーカスする意義、今後の講義のスケジュールなどを行う。
市町村の地域開発概論@:人口減少社会における地域差について、さまざまな統計データを読み解き、地域開発(政策形成と実践)にどう活用するかを学習する。
市町村の地域開発概論A:市町村が担う福祉のまちづくりの現状と課題を学習する。
市町村の地域開発概論B:市町村の組織と地域開発について学習する。
市町村の地域開発概論C:住民の意見を地域開発に活かすのか、協働と参画、議会の仕組みについて学習する。
市町村の地域開発概論D:地域コミュニティと行政の協働について学習する。
地域開発事例@:コロナ禍における地域開発
地域開発事例A:公民連携による地域開発(幼児教育・保育)
地域開発事例B:多様な主体との協働による地域開発(地域子育て支援)
地域開発事例C:学校教育との連携による地域開発(いじめ、ヤングケアラー)
地域開発事例D:命を守り育む地域開発(周産期からの支援、児童虐待防止)
地域開発に関する問題と解決方策@:地域の担い手不足問題を考察する。
地域開発に関する問題と解決方策A:対話の場づくりを考察する。
地域開発に関する問題と解決方策B:多様な分野とのコラボを考察する。
地域開発に関する課題と解決方策C:危機管理、まとめ

準備学習の内容・学ぶ上での注意
教員は現職の市町村職員(社会福祉士)であり、市町村における福祉のまちづくりに関心がある者や公務員(特に市町村職員)を志望する者の受講を希望する。地方自治論や総合政策学で学んだ内容が、市町村の現場において地域開発としてどのように展開しているかを学ぶ。なお、全15講オンデマンド配信のため、教員と受講生のコミュニケーションを取るために、ふりかえりシートの提出を求める。

事前事後 学習内容 時間数
事後 毎回の授業の復習、ふりかえりシートの作成 15
事後 課題レポートの作成 5

本科目の関連科目
地方自治論、総合政策学、行政学、行政法、社会福祉政策論

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 70%
授業内でのレポート・課題等 30%
その他  0%
動画視聴後のふりかえりシートの提出(2%×15回)と期末レポート(70%)にて評価する。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 

科目属性
地域志向科目



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