科目名 行政法

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
4 2 通年開講 野ア 孝志

テーマ
行政法の基礎的な能力を習得し、現場の具体的な事例を使い、その対処方法を身につける。

科目のねらい
<キーワード>
行政法の基本原理  地方自治
行政救済法  行政組織法
行政作用法

<内容の要約>
本講は公務員をめざす者を主たる対象とする。「行政法」は堅苦しい、難しいものであると思っている者が多いと思うが、日常生活において、直接的であれ間接的であれ、行政、すなわち、行政法と無関係にはいられない。行政職員をめざすには、「行政法」は必須であり、その必要性を学び、現場での具体的事例から実践的に使える行政法を学ぶ。また、行政法から公務員をめざす者としての資質とその対応のあり方を学ぶ。 行政法の世界では、「犬、いや、君もあるけば行政法に当たる」と表現されている。「行政法」という名前の法律はない。行政法第1条という条文はない。それは行政に関する法律をまとめて「行政法」という。特に「行政作用法」「行政組織法」「行政救済法」に大別されるものである。その中で、「行政救済法」は「行政に侵害された権利の救済に関する法律」にまとまるが、具体的には「行政事件訴訟法」「行政不服審査法」「国家賠償法」の3つの法律を指す。その中で、「行政救済法」が現場で大きな関りがある。行政行為が一方的なものであるため、被害者を救済する身近な法律であり、その学びが公務員をめざす者の知識、意欲を高め、また本来の公務職場のあり方も学べる。特に、講師は2016年に全面改正された行政不服審査法の審査請求に対する処分について審査請求すべき行政庁側、審査庁が指名する審理員、処分を行う処分庁の立場の事務も経験をしており、具体的な行政の事例を学ぶ。また、私たちの生活と行政が密接な関係にあることから、多くの訴訟事件が生じることにより、裁判所の判例もあり、これらの考察も深めていく。さらに、私たちの前に生じる現実の社会問題に対して、法的な判断能力を伸ばし、公務職場に活かせる、実践的な行政法を学ぶ。

<学習目標>
行政にかかわる法律は山ほどあるが、その中で「行政作用法」「行政組織法」「行政救済法」の基礎的概念および理論が理解できる。
行政救済法」の中で、「行政不服審査法」を現場での具体的事例から学び、意見交換を経験することにより、どのように対応していけばよいか具体的な事例で学ぶことができる。
行政法を抽象的にではなく、裁判所の判例などを踏まえ、考察できる。

授業のながれ
毎回10分程度、講師の経験を踏まえた話題提供を行う。・オープニングガイダンス(これからの進め方に関するレクチャー/「行政法」とは何かに関して意見交換など)
行政法の基本原理
行政法の法源
行政立法
行政上の法律関係
行政組織
権限の代行
小テスト@、行政行為の種類・効力
行政行為の附款
行政行為の瑕疵
行政裁量
行政指導
行政契約、行政計画
行政強制、行政罰
小テストA、前期のふりかえり・まとめ
小テストB、行政手続法(1)
行政手続法(2)
情報公開法
行政不服審査法(1)
行政不服審査法(2)
行政不服審査法(3)
小テストC、行政事件訴訟法(1)
行政事件訴訟法(2)
行政事件訴訟法(3)
行政事件訴訟法(4)
国家賠償法(1)
国家賠償法(2)
国家賠償法(3)
損失補償、地方自治法(1)
地方自治法(2)、後期のふりかえり・まとめ

準備学習の内容・学ぶ上での注意
本講は公務員を志望する者の受講を強く望む。公務員を目指す者にとって、「関心のなさ、意識のなさ、意識の低さ」は、致命傷となる。本講で学んだことを更に自己啓発し、意識の中に刷り込ませていく必要がある。それが公務員になれるかなれないかの分岐点と思われる。また、受講に際しては、毎日の新聞記事等を通じ、自らの日常(社会)生活と行政活動(行政法)に関連する内容へアンテナを張るよう心掛けること(特に自分自身が住んでいる地域の自治体について)。また、各回のふりかえりシートなどを通じて、積極的に質問・意見等を述べるようにも努めること。この他、事前学習では自ら指定の参考書を読み込み、理解に努めたり、疑問点を抽出するなどの取り組みをしなければならない。また、事後学習では、自分で作成した授業ノートを読み返し、復習するなどの自己啓発することがが必要となる。なお、『デイリー六法2021』(三省堂)や『令和年版ポケット六法』(有斐閣)などを手元に用意しておくことが望ましい。 

事前事後 学習内容 時間数
事前 参考書や新聞記事の読み込みなど 5
事後 毎回の復習 15
事後 各単元終了後に行われる小テスト対策 15
事後 全講義終了後に行われる期末試験対策 20

本科目の関連科目
法入門、法学、日本国憲法、民法、行政学、地方自治論

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 60%
授業内でのレポート・課題等 40%
その他(授業内小テスト(10%×4回=40%)と学期末筆記試験(60%)にて評価。講義参加姿勢も評価対象。) 0%
講義内で4回小テストを課し、学期末試験とあわせ評価を行う。講義への参加姿勢も評価対象とする。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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