科目名 動作法

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 3 後期開講 森崎 博志

テーマ
心理学に基づいた脳性まひ者の運動障害改善のための方法として当初開発され、その後、知的障害や自閉症などの障害者の発達援助法としても、また心理臨床の技法としても発展している動作法の理論と技法について学ぶ。

科目のねらい
<キーワード>
動作  「こころ」と「からだ」
肢体不自由  知的・自閉性障害
発達支援

<内容の要約>
動作法は「動作」というものを用いて人が人としてより充実した生き方ができるようにするための支援法である。この方法は1960年代後半に当初脳性まひ者への適用をきっかけに九州大学(当時)の成瀬悟策によって開発された。従来「からだ」の問題と思われていた脳性まひ者の運動障害を「こころ」の問題として捉えることによって、効果を示すとともに「こころ」と「からだ」の結びつきについての新たな見地を切り拓いた。その後、自閉症者や統合失調症者への適用を通して、「からだ」を主体的に動かすことが「こころ」の活性化や安定をもたらすことが確認されている。 現在、動作法は様々な領域で幅広く実践されているが、当初の実践の経緯から、肢体不自由者を中心に自閉・知的障害者など、特に特別支援教育に関わる領域において広く実践が行われてきている。特別支援学校の自立活動に関する実践においては主要な支援法ともなっている。本授業においても、特別支援学校の自立活動における指導を踏まえながら、子どもの発達と「からだ」について特に検討していきたい。 また、動作法は身体を通した(発達)支援であり、「からだ」を通して「こころ(情緒・認知・生理)」に働きかけるものとも言える。そのような「こころ」と「からだ」の繋がりや、人の発達における身体の意義などについても考察していくこととする。 また、合わせて、動作法の実技について演習形式で体験的に学習を進めることとする。

<学習目標>
発達支援法としての動作法の基本的な考え方を理解することができる
動作法を実践する際の重要点を把握し、基本的な技法を実践できる
どのような相手に対しても、その主体性を尊重した働きかけを行うことができる

授業のながれ
動作法の理論(1) 動作法の成り立ち
動作法の理論(2) 動作法とは
肢体不自由者について
肢体不自由者への身体を通した発達支援
動作法の理論(3) 動作法と情緒・認知・生理
動作法の理論(4) 心理療法としての動作法
知的・自閉性障害者について
知的・自閉性障害者への身体を通した発達支援
身体を通した発達支援と脳科学
身体を通した発達支援と健康面
動作法の体験演習(1) 座位
動作法の体験演習(2) 膝立ち、椅子座位
動作法の体験演習(3) 立位、歩行
動作法の体験演習(4) 知的・自閉性障害者への動作法
まとめ

準備学習の内容・学ぶ上での注意
動作法は実践を重要視し、そのなかで技法の開発や理論の構築が行われてきた。本授業でも体験演習を多く取り入れていくが、この実践重視はともすれば単に技法を習得するということだけに目が奪われてしまうことになりがちである。技法を支える「こころ」と「からだ」の捉え方、とくに人が生きていく上で「からだ」を主体的に動かすことの意義、「からだ」を通したやりとりの重要性などをしっかりと掴んでおかなくてはならない。授業のなかで、参考書などを適宜紹介するが、心理学や哲学、脳科学などのさまざまな領域における自己形成や心身相関、身体的コミュニケーションなどに関する本や資料に目を通し、人の「こころ」と「からだ」のついての理解を深めておくことが望まれる。なお、授業にはジャージなど動きやすい服装で参加すること。

事前事後 学習内容 時間数
事前 資料内容についての予習 15
事後 講義・体験実習についての復習 15

本科目の関連科目
肢体不自由児の心理

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 0%
授業内でのレポート・課題等 70%
その他(体験実習での参加態度) 30%
レポートの内容に体験実習での参加態度を合わせて評価する。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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