科目名 災害ソーシャルワーク

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 2 後期開講 菊池 遼

テーマ
実践的な災害ソーシャルワークの知識を学び、現場でも活躍できる思考力・判断力を養う

科目のねらい
<キーワード>
災害ソーシャルワーク  災害時要援護者
被災者  寄り添い
NPO・ボランティア

<内容の要約>
 災害時には社会の脆弱性が露見しやすく、災害時要援護者を中心に多くの人々の人権が脅かされる環境になりやすい。社会正義のもとにソーシャルワークは災害時にどのような役割が果たせるだろうか。災害時のソーシャルワークの主体には、ソーシャルワーク専門職はもちろんのこと、NPO・ボランティアやその他機関・支援者とも連携することが求められる。また、支援対象者は災害時要援護者を中心にその他の被災者にも向けられるものである。  災害ソーシャルワークというと、「災害発生時に要援護者が避難行動をできるようにする」「災害で親族・知人を亡くした人などの被災者の心のケアをする」「災害時要援護者を中心に避難所で災害関連死を防ぐ」といったイメージを持つ人が多い。もちろん、これらは災害ソーシャルワークの重要な役割ではあるが、あくまでその一部なのである。被災者に寄り添い、生きがいづくり等を支援するのもまた災害ソーシャルワークの役割の一つである。被災者が前向きになれるようにエンパワメントし、被災地のコミュニティづくりをしながら、災害に遭った地域の振興を図るのも災害ソーシャルワークの中長期的な役割の一つとなる。  災害ソーシャルワークは2011年の東日本大震災を契機として理論化および体系化が目指されてきたわけであるが、それ以降の災害の経験を踏まえ、災害ソーシャルワークの方法論や考え方はアップデートを続けている。実践の災害ソーシャルワークの現場に出たときには、これまで想像も経験もなかった事態に出くわすことが多い。さらに被災地には、地域固有の文化・資源や独特なコミュニティが存在し、一つの方法論が必ずしも正解とは限らない。被災者および被災地に対し、柔軟な発想を持ってソーシャルワークに取り組むことが求められる。  この授業では、災害ソーシャルワークの基本理論を押さえながら、過去の災害ソーシャルワークの事例を振り返りつつ、具体的な支援のあり方について学んでいく。

<学習目標>
人権・社会正義の原理に則って災害時のソーシャルワークの意義を説明できる。
過去の災害の事例を教訓として将来の災害に備える知識や考えを述べることができる。
自分に所縁のある地域で災害が起こった際にどのような支援が必要か想像できる。

授業のながれ
ガイダンス・災害ソーシャルワークの基本理論
災害フェーズに応じたソーシャルワークと福祉サービス
避難行動時要援護者
避難所における災害時要援護者のケア
福祉避難所
災害ボランティアセンター
ソーシャルワーク専門職とNPO・ボランティアなどとの多職種連携
居住福祉から考える被災者支援
仮設住宅でのアウトリーチ活動
生活支援相談員・地域支え合いセンターの取り組み
復興住宅の課題
コミュニティソーシャルワークによる地域防災・減災
被災地の現場からの報告@
被災地の現場からの報告A
全体のふりかえり、期末レポート試験のポイント

準備学習の内容・学ぶ上での注意
 毎回授業の最後にnfu.jpを通して課題の提出を求めます。課題を入力する時間を授業の最後に10-15分程度設けます。この時間を用いて講義や課題内容に対する質疑応答も受け付けます。さらに、授業で提出いただいた課題について、優秀なものについては、次回の授業の冒頭に紹介しながら振り返りを行います。課題については自分自身の考えをしっかり述べることとが求められます。課題内容については少し難しいという学生の声もありますが、真摯に取り組む姿勢を評価しています。授業内容と関係のないことを書いていない限り、間違った認識であったとしても0点ということにはなりません。この課題は授業の内容をしっかり踏まえないと回答できません。スライドに表示した内容や黒板に書かれた内容のみではなく、教員の発言でも大切なところは自らノートを取ってください。  授業中に分からないことがあればスマートフォンを使用して調べることについて、私の授業に限っては認めています。  また、教員は近年の災害現場でも活躍しているため、実践事例なども報告する。開講期間中に災害が発生した場合には、現在進行形の被災地の課題を伝えるため、一部授業計画の順番を入れ替えるなどの可能性がある。  合理的な配慮を必要とする場合には、初回の授業で申し出てください。

事前事後 学習内容 時間数
事前 次回授業テーマの自主学習 4
事後 毎回の授業の復習 6
事後 授業中に紹介したケースの参照 4
事後 期末レポートの執筆 5

本科目の関連科目
ソーシャルワーク科目全般、災害に関する科目

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 30%
授業内でのレポート・課題等 70%
その他(期末レポート提出が単位取得の条件となる。) 0%
毎回の授業で出す課題の配点は1回につき5点(計14回・70点満点)となります。さらに、この課題提出をもって出席とみなします。単位を取得するには授業の3分の2以上の出席が必要です。過去の傾向を見てみると、授業にしっかりと出席して、課題に真摯に取り組めば単位を取得しています。期末試験(レポート試験)の配点は30点です。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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