科目名 福祉行政と経済

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 1 後期開講 角崎 洋平

テーマ
「みんなをモノとサービスで幸せにする」学問としてのミクロ経済学・入門

科目のねらい
<キーワード>
しあわせ(福祉)  市場メカニズム
市場の失敗  効率性
公平性

<内容の要約>
経済学とはお金も儲けのための学問ではない。経済学はモノとサービスといった資源の配分を通じてみんなを幸せにするシステムについて考察する学問である。したがって最低限の経済学の知識は、福祉のあるべき姿を考察する際にも必要不可欠のものとなる。講義ではまず、経済学の「基本の基本」として、市場メカニズムの特徴について説明する。そのうえで、市場メカニズムが機能しない場合と、そうした場合における行政の役割について説明する。

<学習目標>
市場メカニズムの利点と、市場メカニズムが機能する条件について正確に理解し、的確に説明できる。
市場メカニズムが機能しない場合の行政の役割について的確に説明できる。
社会福祉政策について、経済学の知見をもとに、適切に評価することができる。

授業のながれ
1.ガイダンス:講義概要・履修上の注意
2.ひとの「しあわせ」に貢献する学問としての経済学:経済学入門
3.合理的な人間の消費行動を分析する
4.消費して「しあわせ」になる:需要曲線と消費者余剰
5.ひとを「しあわせ」にする資源を供給する:供給曲線と企業利潤
6.市場にまかせて「しあわせ」を最大化する:市場均衡と社会的総余剰
7.市場は不公平を生み出す?:形式的な機会平等vs実質的な機会平等
8.なぜ市場介入は非効率になるのか:価格規制・補助金政策の問題点
9.利益を「独り占め」にさせない:独占と競争政策
10.「専門家」に騙されない:情報の非対称性と福祉・医療サービス
11.「みんなのもの」きちんと供給する:公共財と価値財
12.「他者を犠牲にして利益を得る行為」を見逃さない:外部経済とその補償
13.将来のリスクに備える:社会保険の経済学
14.失業をにどう対応すべきか:新古典派経済学vsケインズ経済学
15.まとめ:効率で公平な福祉社会を築くために

準備学習の内容・学ぶ上での注意
◆毎回講義後にその回の講義内容についての確認小テストを実施する(nfu.jpのシステムを利用して実施する)。この小テスト問題は、公務員試験の問題も参考にして出題するので、しっかり取り組むこと。また小テスト問題は期末テストでも再出題するので、期末テスト対策のためにも小テスト問題の復習が必要になる。 ◆上記のように講義やテストの一部は、公務員試験問題も意識したものとなる。しかし本講義は「公務員試験対策」よりも「社会福祉の理解に資すための経済学知識」の習得に力を入れたものになる。したがって公務員試験を受ける予定でない学生の履修も推奨する。本講義で提供する経済学の知識は、関連する行政関係の科目(たとえば地方自治論・財政学・行政学など)のみならず、社会福祉の専門科目(たとえば社会福祉政策論・福祉行財政論・社会保障論など)の理解を深めるものとなる。 ◆本講義はいわゆる「ミクロ経済学」入門でもある。マクロ経済学は別科目「経済学」で講義する。

事前事後 学習内容 時間数
事前 関連する授業科目の復習 15
事後 授業後の質問・感想・ミニレポートの提出 7.5
事後 毎回の確認小テストや復習テストの実施 7.5

本科目の関連科目
社会福祉政策論、福祉行財政論、社会保障論、経済学、財政学、行政学、地方自治論

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 40%
授業内でのレポート・課題等 60%
その他 
平常点(60点)は、毎回講義後実施する確認小テストの正答率および授業後のミニレポートを軸に評価する。期末テストは、確認小テスト既出問題を(少しだけアレンジしたものを)出題し、web上で実施してもらう。より具体的には初回授業で詳しく説明するので、必ず出席すること。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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