権利擁護と成年後見制度

科目名	権利擁護と成年後見制度

単位数	学年配当	開講期間	担　当　教　員
2	3	前期開講	鷲野　林平

テーマ

ソーシャルワーカーとして、判断能力の不十分な認知症高齢者や知的障がい者、精神障がい者等の権利を代弁する役割、手段・方法について、日本国憲法の基本原理、民法、行政法、社会法等及び最近の成年後見制度にかかわる法律をふまえ理解する。

科目のねらい

＜キーワード＞
代弁（アドボカシー）　　最善の利益（ベスト・インタレスト）
権利擁護　　本人の意思尊重
専門職・関係機関等との連携

＜内容の要約＞
　ソーシャルワーカーの対人支援の究極は①経済的支援、②法的支援、③生きがい支援の3点に集約されるといわれている。　本講義は、②法的支援、③生きがい支援に重点をおく科目である。ソーシャルワーカーは、判断能力の不十分な認知症高齢者・知的障がい者・精神障がい者等の権利を擁護する代弁者としての役割が求められる。しかし、社会福祉従事者の中には法律が苦手という人が少なくない。そこで本講義では、日本国憲法の基本原理、民法、行政法、社会法等にも触れ、法令の読み方や、日常生活上の諸問題を例に取り上げながら、現実的な課題をソーシャルワーカーとしてどのように解決していくかを考える。　法律に強いソーシャルワーカーにあわせて、利用者の立場に立ち、利用者の権利擁護ができるスキルも学ぶ。　また、権利擁護のひとつの手段である、成年後見制度に関する法律等の最近の動向についても紹介する。　科目は国家試験科目なので、国家試験対策も考慮し講義を実施する。

＜学習目標＞
判断能力の不十分な認知症高齢者や知的障がい者、精神障がい者等の法的支援やいきがい支援ができる。
福祉の司令塔（判断能力の不十分な認知症高齢者や知的障がい者、精神障がい者等の代弁者）としてチーム支援ができる。
社会福祉サービス利用者のアドボカシーが実践的にできる。

授業のながれ

オリエンテーション　法律に強い社会福祉士（ソｰシャルワーカー）になるには
判断能力が不十分な認知症高齢者・知的障がい者・精神障がい者等の権利を擁護するには
日本国憲法の基本原理をふまえたソーシャルワーク（憲法の概要及び基本的人権、幸福追求権等について）
民法を基本としたソーシャルワークⅠ（民法総則等及び消費者保護に関する法律等について）
民法を基本としたソーシャルワークⅡ（親族法、相続法等について）
行政法を基本としたソーシャルワーク（行政組織・行為等及び権利が侵害された場合の権利救済の方法等について）
社会法を基本としたソーシャルワーク（第三者評価や苦情解決の手法及び虐待防止法等について）
成年後見制度の法定後見制度Ⅰ（判断能力が不十分な認知症高齢者・知的障がい者・精神障がい者等の財産管理・身上監護、事例）
成年後見制度の法定後見制度Ⅱ（成年後見関係事件の概況及び申立て書類について）
成年後見制度の任意後見制度（判断能力が低下する前の老い支度等の事前対策、事例）
成年後見制度利用支援事業（低所得者が成年後見制度を利用できる方法、事例）
日常生活自立支援事業（判断能力が不十分な認知症高齢者・知的障がい者・精神障がい者等の金銭管理や日常生活支援、事例）
権利擁護にかかわる組織・団体（家庭裁判所・法務局・市町村・社会福祉士会等）の活動について
最近の動向（成年後見制度の利用の促進に関する法律をはじめとする関係法律等）について
総括・授業の振り返り

準備学習の内容・学ぶ上での注意

①　推薦図書、参考文献等で、毎回の講義内容を予習すること。 ②　講義終了後は、毎回、質問、気づき、感想等についてコメントを提出すること。また、コメント記入の時間は講義終了前、１０分程度予定するので　　前述の質問、気づき、感想等をしっかり記入して欲しい。質問等については、原則、次回、講義の冒頭で回答する予定である。 ③　講義で学んだ事柄を対人支援で活用する場合を考えること。 ④　本科目は講義回数の3分の2以上の出席がなければ単位認定から除外する。

事前事後	学習内容	時間数
事前	講義前の推薦図書等での学習	10
事後	講義後の資料等での学習	10
事後	期末試験へ向けての整理・学習	5

本科目の関連科目

法学・憲法・各社会福祉士国家試験科目

成績評価の方法

期末試験（筆記・Web・レポート・最終授業内）	70％
授業内でのレポート・課題等	0％
その他(その他は毎回講義終了時に提出してもらうコメントの内容に関する評価の割合とする。)	30％

毎回、講義終了後に、質問、気づき、感想等のコメントを提出してもらう。そのコメントの内容で30％。また、学期末に定期試験を実施する。その定期試験の点数が70％。以上で評価する。本科目は講義回数の3分の2以上の出席がなければ単位認定から除外する。出欠席は前述のコメントの提出の有無で確認する。

テキスト

□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定（最初の授業で指示する）