科目名 社会科教育法V

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 3 前期開講 舩尾 日出志

テーマ
すべての受講生が到達目標を達成できるように、「意欲的に学べる社会科(公民分野、とりわけ哲学・倫理学的教材にかかわって)授業を作る」というテーマで当該科目の指導を実施する。

科目のねらい
<キーワード>
問う、考える、他者の意見を聴き、他者に意見を述べる  人間の尊厳を守る人を育てることができる
平和と民主主義の担い手を育てることができる  模擬授業とプレゼンテーションへの批正
指導案修正と再実践

<内容の要約>
社会科、特に公民分野(とりわけ哲学・倫理学的教材)において、「国民主権を担う公民として必要な基礎的教養を養う」授業を展開することができる教員としての知識・能力・態度を培う。そのために毎回の授業において「この1週間の新聞記事からみんなで考えたい問いを投げかける」という場面を設定し、学生が受け身にならず、主体的に問いを発し、能動的かつ協同的に学習を進められるよう支援する。もちろん、指導案を書き、自ら模擬授業をし、また他の学生の模擬授業から批判的に学べる機会も設定する。

<学習目標>
簡単に答えが出ないが、しかし哲学的あるいは倫理的に価値のある問いを発することができる。
発問を中心に設定して、中学生が楽しく学ぶことができる授業を構想することができる。
構想した授業を実際に模擬授業として実践することができる。
他の学生の模擬授業に生徒役として参加しつつ、批判的に学ぶことができる。
自身が人間の尊厳を守り、平和と民主主義の担い手である教員となれるよう努力することができる。 

授業のながれ
中学校学習指導要領社会に示された目標・内容を吟味し、その全体構想を理解するとともに、特に公民分野の哲学・倫理学的教材の基本的内実について学ぶ。
日常の具体的事例を通して学ぶことの重要性を実感するために、いじめに関係する裁判を例に、模擬裁判員裁判を実施:評議を中心に
いじめに関係する裁判を例に、模擬裁判員裁判の実施:判決を中心に
個人の尊厳と人権尊重の意義を伝える学問領域からヴィクトール・フランクルの『夜と霧』を選び、その教材化に取り組む。その際、中学3年生の発達上の特性を再確認し、配慮する。
世界平和と人類福祉の考察のための基礎としての学問領域からカントの『永久平和論』を選び、その教材化に取り組む。
国民主権について確かな理解をするためにホッブスとロックの社会契約論を選び、その教材化に取り組む。
発展的な学習内容の探究とその成果を学習指導の充実につなげるために、新聞記事をもとにした発問を中心とする社会科公民分野授業のための教材開発および教材研究
愛知県尾張地区の中学校社会科公民分野の授業実践記録の分析。その際、最新の情報機器および教材の効果的活用についても学ぶ。
愛知県三河地区の最新の中学校社会科公民分野の授業実践記録の分析。その際、最新の情報機器および教材の効果的活用についても学ぶ。
新聞記事をもとにした発問を中心とする社会科公民分野授業のための授業設計
新聞記事をもとにした発問を中心とする社会科公民分野授業のための学習指導案の仕上げ
模擬授業1回目
模擬授業2回目
模擬授業の反省を踏まえて、授業改善の視点を確認し、修正学習指導案の作成
総括と今後の学習課題

準備学習の内容・学ぶ上での注意
@社会科教員を目指す者にとって新聞を読む習慣は必須である。中学校社会科の教材となりそうな、あるいは授業の参考となるような記事を切り抜き、ファイルすること。それが難しい場合は、記事内容をメモしておくこと(新聞紙名、記事の見出しや内容)。A1回の授業で1つは問いを発してほしい。B毎回配布する資料は失くさず、持参して欲しい。C本科目は全体を通じて合計60時間の事前・事後学習が必要である。D『中学校学習指導要領』(平成29年3月告示、文部科学省)およびその解説は常備しておくこと。

事前事後 学習内容 時間数
事前 定期的に新聞に目を通し、中学生に学んでほしい記事を切り抜き(あるいはファイルし)、記事に関連する事項を追究し、適切な発問を考える。 15
事前 模擬授業のための教材開発、教材研究をおこない、指導案を作成する。 10
事後 他の受講生の模擬授業を批判的に考察し、対案を出せるようにする。 5

本科目の関連科目
公民科教育法U

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 30%
授業内でのレポート・課題等 40%
その他(指導案と模擬授業) 30%
毎回、個人ワークとグループワークの結果をワークシートに記入し、提出していただくワークシート活動をもっとも重視する。模擬授業やプレゼンテーションへの取り組み姿勢も評価に際して参考にする。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



(C) Copyright 2021 Nihon Fukushi University. all rights reserved.
本ホームページからの転載を禁じます。