科目名 総合政策学

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 3 前期開講 田中 優

テーマ
「地域主体の(総合的な)政策形成システム」について、理論的な、あるいは事例を通じた実践的な理解を高めていく

科目のねらい
<キーワード>
政策形成  地方自治
ローカル・ガバナンス  分権・ネットワーク
参加(参画)と協働

<内容の要約>
20世紀における地域(総合)政策の実相は、全国的に最低限の暮らしができるような基盤(ハード)整備が主であり、経済成長のみを志向するものが専ら追求されていたため、「政府(国・地方)主導型」は効率的といえる側面があった。一方で、近時の「ガバメントからガバナンスへ」というフレーズに代表されるように、21世紀型のシステムとしては、「地域主体の問題解決の仕組み」であることが求められてきている。そこで、本講では、この「地域主体の(総合的な)政策形成システム」について、理論的な、あるいは事例を通じた実践的な理解を高めることを目的に進めていく。 

<学習目標>
地方自治を巡る政策形成の理論や各種公共政策の動向等について認識し、理解を深め、根拠に基づいた説明ができる。
新聞記事等から地域(総合)政策に関する情報などを読み取り、自分の考えを述べることができる。
地方自治の現場を踏まえた政策形成の考え方や政策展開の状況等について自分なりに調べ把握し、各種地域問題に対する解決提案ができる。

授業のながれ
オープニングガイダンス(今後の講義スケジュール等について説明するとともに、「地域(総合)政策」についても概説する)
地域を取り巻く環境の変化(1)(「地方分権」「財政難」「職員数の減少」「人口減少」「少子・高齢化」などをキーワードに講義する)
地域を取り巻く環境の変化(2)(「市町村合併」や「道州制問題」などのトピックも交えながら、地域を取り巻く環境の変化について論じる)
地方自治体の実情(1)(地域<総合>政策の一主体である地方政府の状況について、とくに、地方議会・地方議員に焦点をあて講義する)
地方自治体の実情(2)(前講に引き続き、自治体職員・首長に焦点をあて講義する)
地域<総合>政策の概要(そもそも「政策」とはどのように定義されるものかについて確認するとともに、とくに地域福祉政策の内容についても概説する)
政策形成の流れ(政策形成プロセスについて、とくに、イニシャル部分を構成する「問題の発見」フェーズについて、事例をもとに講義する)
政策形成における問題発見の重要性(政策問題には「認識型問題」と「探索型問題」の二種類があり、後者に留意することが適切な政策形成につながるということを概説する)
事業指向型発想と政策指向型発想(従来型の問題解決を乗り越えるためには、前講の「探索型問題」の発見能力を磨き、「政策指向型発想」を導入していかなければいけないということについて講義する)
政策の実施と評価(地域<総合>政策の実施について、事例をもとに確認するとともに、政策形成プロセスの最終局面たる政策評価についても、概説する)
地域(総合)政策におけるシンクタンク・審議会の役割と課題(政策展開において、シンクタンクや審議会といったものがどのような役割を果たしてきたのかについて整理するとともに、その課題についても講義する)
地域(総合)政策におけるNPOや住民の役割と位置づけ(ローカル・ガバナンスにおける協働型・提案型の政策形成主体としてのNPOや住民について、事例をもとに講義する)
地域(総合)政策のガバナンス<政策管理のシステム>(これからの時代の<総合的な>政策展開について、あらためて、「ガバナンス」という概念をもとに論じる)
トークセッション:テーマ「地域(総合)政策の現状と展望」(地域の総合政策に携わる実務家をゲストスピーカーに招き、意見交換会を行う)
まとめ

準備学習の内容・学ぶ上での注意
政治・行政や政策に関し興味関心のある学生や公務員を志望する者の受講を希望する。受講に際しては、毎日の新聞記事等を通じ、地域(総合)政策関連の内容にアンテナを張るように心掛けること(特に自分自身が住んでいる地域について)。また、各回のふりかえりシートなどを通じて、積極的に質問・意見等を述べるようにも努めること。この他、事前学習では自ら指定の参考書を読み込み、理解に努めたり、ゲストスピーカーへの質問事項を考えるなどの取り組みをしなければならない。また、事後学習では、自分で作成した授業ノートを読み返し、復習するなどの主体的学習が必要となる。 

事前事後 学習内容 時間数
事前 参考書や新聞記事の読み込みなど 15
事後 課題レポートの作成 5
事後 毎回の復習 15
事後 全講義終了後の試験対策 5

本科目の関連科目
地方自治論、行政学など社会科学系科目全般

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 50%
授業内でのレポート・課題等 50%
その他  0%
毎回提出のふりかえりシートやゲストスピーカーの講演内容等に対する複数回のミニレポート等内容と期末試験をあわせ評価を行う。また、講義への参加姿勢(発言等)も評価の対象とする。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
■未定 (最初の授業で指示する)
 



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