科目名 障害者福祉論

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 2 前期開講 藤井 渉

テーマ
ひとり一人の障害者にとって福祉はどうあるべきか

科目のねらい
<キーワード>
障害者  福祉政策
障害者福祉の理念  共生社会
優生学思想の教訓

<内容の要約>
 本講義では、どうすればひとり一人の障害者生活がより良いものへとしていけるか、そのための知恵を学習する。具体的には、@障害者概念について理解を深める。A障害者の生活実態と課題を知る。B生活を支える福祉の仕組みを理解する。Cノーマライゼーション、発達保障、自立生活といった障害者福祉の理念がどういった目的や必要性に迫られて提唱されてきたかを学び、障害者運動の歴史的意義を理解する。D理念を踏まえ、あるべき福祉の仕組みや今後の福祉政策について考える。E以上を踏まえ、もし自身が障害者福祉の現場に居た場合に何を大事にすべきか、具体的にどのような実践ができるのかを考察していく。

<学習目標>
障害者の生活を理解できるようになること
福祉制度の課題を知り、制度改善の必要性を理解すること
一人一人の生活を支えるための実践的な知恵を身につけること
人権に根ざした支援ができるための基礎を身につけること
他の領域との連なりを意識できるようになること

授業のながれ
現代社会における障害者福祉問題 担当教員の体験、当事者による手記、エッセー等を通して障害者を取り巻く状況を知り、障害者生活についてイメージを膨らませる。また、講義で用いる基礎用語について解説する。
障害者の生活の理解(1)身体障害者の生活と支援 身体障害について学習し、身体障害児・者の生活実態や福祉の仕組み、支援の実態、論点等を理解する。
障害者の生活の理解(2)知的障害者の生活と支援 知的障害について学習し、知的障害児・者の生活実態や概念的な課題、福祉の仕組み、支援の実態、論点等を理解する。
障害者の生活の理解(3)精神障害者の生活と支援 精神障害について学習し、精神障害児・者の生活実態や精神科病院からの地域移行、地域生活を支える福祉の仕組みや動向について学習する。
障害者の生活の理解(4)障害のモデル 障害の医学モデル、社会モデル、ICFを学習し、障害者の生活を支えるための障害の概念的な理解を深める。
障害者福祉の理念(1)戦争と障害者 近代化と障害者について、優生学の歴史、ナチス・ドイツによるT4作戦を中心に歴史を理解することで、生存権の重要性を学ぶ。
障害者福祉の理念(2)戦後の障害者福祉理念の展開 後の障害者福祉施策の展開と、リハビリテーション、ノーマライゼーションを中心にその理念の内容と歴史について学ぶ。
障害者福祉の理念(3)戦後の障害者福祉理念の展開 国際障害者年以降の障害者福祉施策の展開と、発達保障や自立生活を中心に理念の中身と障害者運動の歴史的意義について学ぶ。
障害者福祉の制度(1)全体像をつかむ ライフサイクルを通して、障害者がどのような制度を用いて生活を成り立たせているのかを知る。
障害者福祉の制度(2)障害児福祉 障害のある子どもの出生、障害の受容、母子保健、家族支援、障害児教育を中心に福祉の支援やその仕組みについて学ぶ。
障害者福祉の制度(3)障害者雇用 特別支援学校を卒業する段階を念頭に、障害者雇用の動向を理解し、障害者雇用促進法を学ぶ。
障害者福祉の制度(4)障害者総合支援法の基本構造 障害者総合支援法のサービス体系と、利用手続きについて学ぶ。
障害者福祉の制度(5)障害者総合支援法のサービス 障害者総合支援法の自立支援給付と地域生活支援事業のサービスを学ぶ。
障害者福祉の制度(6)権利擁護 障害者権利条約、障害者差別解消法、障害者虐待防止法を中心に、障害者の権利擁護のための仕組みと実践方法について学ぶ。
障害者福祉政策の動向と実践課題 障害者福祉の今後について、政策的な動向と障害者運動の意義について学習する。

準備学習の内容・学ぶ上での注意
 講義では、新聞記事の紹介、講義、振り返りの構成で進める。新聞記事の紹介では障害者福祉について最新の情報を伝える。講義ではテキストに加え、レジメとパワーポイントを用いて行う。できるだけ関心を持ってもらえるようメディア教材やゲスト講演の設定など工夫をしていきたい。特に、福祉現場で用いられているツールに触れてもらったり、表現活動を行っている作業所による映像作品を活用したりすることで、学生ができるだけ体験的に学べるようにしたい。多人数講義となり、一方的な伝達がメインとなってしまうが、授業後でも構わないので授業を通して考えたことや感想などをぜひ伝えてもらいたい。

事前事後 学習内容 時間数
事前 講義テーマに合わせて、教科書を事前に読み、問題意識を持つ 15
事後 講義で学習したキーワードを中心に、テキストの索引などから概念や意味を調べて復習をしておくこと。可能であれば、他の受講生と講義中に紹介した論点についてディスカッションされたい。 15

本科目の関連科目
社会福祉関連科目すべてだが、とりわけ、社会保障論、社会福祉発達史、児童・家庭福祉論、就労支援、高齢者福祉論が関連する。

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 100%
授業内でのレポート・課題等 0%
その他  0%
 

テキスト
■テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
<著者>竹端ェ・山下幸子・尾ア剛志・圓山里子 <テキスト名>新・基礎からの社会福祉C障害者福祉[第2版] <出版社>ミネルヴァ書房



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