科目名 保健医療サービス論

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 2 前期開講 田中 千枝子

テーマ
 保健医療領域における制度や政策動向を踏まえ、病院等保健医療機関内および地域関係機関間との連携によるソーシャルワーク実践について学ぶ

科目のねらい
<キーワード>
保健医療ソーシャルワーク  病院運営と地域包括ケアシステム
チームワークとネットワーク  社会保障制度と医療保険制度
生命倫理と専門職

<内容の要約>
 保健医療領域における社会保障制度や政策動向を学び、地域包括ケアシステムにおける医療供給体制下で行われている保健医療サービスについて理解する。
またその保健医療サービスと社会福祉サービスとの協働・連携や統合、マネジメントのスキルとしてのチームワークやネットワークを学び、カンファレンスやケア会議、地域連携会議などの実際を学ぶための基礎知識を得る。また傷病を抱えたことによる当事者や家族の生活/人生における障害とその痛みを学ぶことによって、保健医療領域で苦悶するクライエントへの理解を深める。そしてそれらのことによって、医療と福祉をつなぐ医療ソーシャルワーカーの業務とそのミクロ・メゾ・マクロにわたる諸課題を理解する。そして保健医療領域のソーシャルワーカーだからこそより明確に、ソーシャルワーク実践の基盤としての価値の在り様や専門職倫理への理解を深める。


<学習目標>
保健医療領域における制度や政策動向について学び、今後の保健医療サービスの方向性について説明することができる
病院等保健医療の組織制度・供給システムや土壌となる文化を学び、専門職連携や地域関係機関間連携に関して、協働の視点で説明することができる
地域包括ケアシステムにおける機能別の医療機関の役割を学び、患者を適切な医療と福祉につなげる知識と技術を説明することができる。
傷病によって、クライエントと家族が陥る生命/生活/人生各局面における危機的状況を事例によって理解し、その解決のための道筋を整理し、説明することができる。
クライエントと家族が抱えた課題に対して、医療職と同様、医学モデルによってみることから離れて、人権と社会正義の価値をもとに、社会モデルや生活モデルによって、事例を読みとることができる。

授業のながれ
授業契約 保健医療サービス科目で学ぶ目的と内容・学習方法
1章 現代の保健医療と福祉における諸問題―社会環境の変化 医療概念の拡大と福祉サービスの普遍化 地域包括ケアシステムと保健医療システム
2章 保健医療とは何か 医療と福祉の関係性 医療ソーシャルワーク支援の視点と射程
3章 医療・病院の歴史と医療ソーシャルワークの展開 日本・米国・英国比較
4章 患者・家族・当事者・クライエント・クライエントシステム ソーシャルワーク支援の対象論
5章 保健医療と福祉をめぐる価値と倫理 パターナリズムと自己決定 患者の権利と専門職倫理 生命倫理とソーシャルワーカーの倫理的ジレンマ
6章 医療組織と経営 チームワークとネットワーク 専門職協働と地域連携 地域における多職種連携実践 カンファレンス 地域連携会議
7章 保健医療をめぐる社会保障の枠組み 社会保険 医療システムの国際比較 国民医療費と医療保険 診療報酬制度 DPCシステム 病院の機能分化と強化・連携
8章 医療保険の仕組みと医療・所得保障 医療保険の構成枠組み 社会の高齢化と高齢者医療の変遷 公費負担制度 傷病時の所得保障 生活保護と医療・介護扶助
9章 保健医療サービスと福祉をめぐる施設と供給体制 医療施設の種別と機能分化 地域医療連携システム 医療と福祉のマンパワーと専門職・専門性 
10章 傷病者と高齢者・障害者 制度や支援範囲
11章 保健医療領域における特徴的諸問題と保健医療ソーシャルワーカーの業務と役割 医療ソーシャルワーカー業務指針 業務の範囲(経済的・療養中の心理社会的・受診受療援助・退院援助・社会復帰援助・地域活動)
12章 保健医療の場におけるソーシャルワークの支援過程 ケースの発見からインテーク・アセスメント・プランニング・インターベンション・リアセスメント
13章 保健医療の場における介入レベルの展開 ミクロからはじめ、支援をメゾマクロに展開させる
14章 まとめ 保健医療サービスの今後の動向と保健医療ソーシャルワークの課題

準備学習の内容・学ぶ上での注意
制度や仕組みの知識を得ることで、それが実際どのような局面に問題としてあらわれるのか、具体的な社会問題としてとらえ、その解決方法をソーシャルワーカーとして考えることが必要である。

事前事後 学習内容 時間数
事後 各回、授業中に伝える内容を踏まえて、宿題を出す。それをやっていけば、同様の内容をいくつか期末試験に出す。 45

本科目の関連科目
社会保障論のうち、保健医療サービスに係る部門を知識としてとくに深める またソーシャルワーク論・演習科目を基盤にして、価値・技術に関して、医療ソーシャルワーク実践を考える 

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 100%
授業内でのレポート・課題等 0%
その他  0%
テキストに沿った授業を行い、授業時に配布した資料、追加のコメントと宿題解答等を記入したノート、テキストのみを持ち込む形で、筆記試験を行う。
試験は国家試験に準じて、マークシートを持って行う。

テキスト
■テキストを使用する
□レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
<著者>田中千枝子 <テキスト名>保健医療ソーシャルワーク論 <出版社>勁草書房



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