科目名 社会福祉原論T

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 1 後期開講 木戸 利秋

テーマ
社会福祉原論Tでは、社会福祉の基礎を講義します。社会福祉の対象である貧困や生活問題を抱えた人々、そして社会福祉の理念、原則やその登場の背景、さらに社会福祉の仕組みについて理解します。

科目のねらい
<キーワード>
貧困  生活問題
社会福祉の理念  社会福祉の体系

<内容の要約>
社会福祉はなぜ今日の日本社会のなかに存在しているのだろうか。人々が幸せになるために、社会福祉はどのように寄与することができるのだろうか。
こうした問いを考えるために、この講義では様々な角度から社会福祉を取り上げる。まずは、今日の社会福祉はどういう問題をかかえた人々に対応しているのか、つまり社会福祉が対象とする貧困問題や生活問題について、事例や統計を用いて説明する。これらを通して、社会福祉のサービスや支援が人々の生活にとってなくてはならないものであることを確認する。
次に、社会福祉の理念、あるいは価値について考える。これは変化のはげしい社会にあって、私たちが本来の社会福祉というものを見失わないために、また社会福祉がいつの間にかまったく違ったものに変質してしまった、ということにならないために、とても必要なことだ。
最後に、社会福祉の仕組みについて学ぶ。社会福祉は、いくつかの制度的な体系からなっている。したがって、その利用者や施設や機関で働いている職員に注目するだけでなく、その施設や機関がある地域社会、そしてその地域社会を包んでいる地方自治体、さらに社会福祉に関する法律や制度を定めている国、それぞれの性格や役割を理解しておくことが大事だ。
これらの学びを通して、私たちが社会福祉を与えられたものでなく、主体的に、自分たちのものとして考え、つくりあげ、行動していくことができるための基礎となることを目指す。


<学習目標>
社会福祉の対象は、貧困・生活問題をかかえた人々であることを、事例や統計から説明することができる。
生存権、自立、共生という社会福祉の理念について、社会福祉を必要としている人々の事例を通して、説明することができる。
社会福祉を利用していく市民の観点から、社会福祉の仕組みについて、国、地方自治体、地域社会の役割やそれらの相互関係を説明することができる。

授業のながれ
オリエンテーション:授業のねらいや進め方、授業以外での学習の仕方、成績評価の方法について理解する。
社会福祉の対象:子ども(1)夜間保育所や学校教育に関するドキュメンタリー映像を通して、子どもの福祉ニーズについて考える。
社会福祉の対象:子ども(2)前回の事例をもとに、子どもの福祉ニーズ、あるいは子どもと家族の生活問題について考える。
社会福祉の対象:障害者(1)災害と障害者、そして障害者雇用に関するドキュメンタリー映像を通して、障害者の福祉ニーズについて考える。
社会福祉の対象:障害者(2)前回の事例をもとに、障害者の福祉ニーズ、あるいは障害者の生活問題について考える。
社会福祉の対象:高齢者(1)認知症介護や孤独死に関するドキュメンタリー映像を通して、高齢者の福祉ニーズについて考える。
社会福祉の対象:高齢者(2)前回の事例をもとに、高齢者の福祉ニーズ、あるいは高齢者の生活問題について考える。
社会福祉の理念(1):生存権 憲法第25条にもとづき、人間らしく生きるとはどういうことか。周囲の偏見や固定観念に抗して、人生を生き抜いたある障害をもった女性のドキュメンタリーをみて、生存権を考える。
社会福祉の理念(2):自立 社会福祉サービスを利用する人々は、自立しているのか、それとも依存状態だろうか。自立の内容や依存との関係を、障害のある若者が社会人になっていくリポートを見ながら、問い直す。
社会福祉の理念(3):共生 ともに生きる社会づくりが課題になっている。社会福祉をこえて、住民が輝くまちづくりを行うNPO のドキュメンタリーをみて、地域での共生を考える。
社会福祉の関連分野(1):教育 教育と社会福祉の関わりについて考える。
社会福祉の関連分野(2):医療 医療と社会福祉の関わりについて考える。
社会福祉の関連分野(3):住宅 住宅と社会福祉の関わりについて考える。
社会福祉の関連分野(4):司法 司法と社会福祉の関わりについて考える。
まとめ:社会福祉の対象や理念、関連分野を中心に社会福祉の現状を学んできた。現状を深く理解し、今後の社会福祉の展望をもつためには社会福祉への歴史的な視点が重要になることを理解する。

準備学習の内容・学ぶ上での注意
大学のnfu. jpを使用して、 レジュメや資料の配布、課題・小テストの実施、レポート提出の受理などを行います。課題・小テストは、授業後、2週間以内に取り組んでください。課題・小テストには、授業の振り返りも含まれますが、授業への感想・意見を述べる際は、授業の中身と関わらせて書くようにしてください。「むずかしかった」「おもしろかった」などの一言感想は、評価の対象とはしません。授業で使用する視聴覚教材の内容は、テーマの範囲内で変更する場合があります。

事前事後 学習内容 時間数
事前 次回授業の予習 15
事後 授業のまとめ、ふりかえり 15
事後 中間レポートの作成、定期試験に向けた学習 15

本科目の関連科目
「社会福祉入門」で社会福祉学部の教員がなぜ社会福祉の教育研究に携わるようになったのかを把握し、現実の社会福祉に各教員がどのように向き合ってきたのかを学ぶこと。そこから現実の社会や社会福祉に対する自分の知性や感性を養っていくヒントをつかみ取ること。

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 60%
授業内でのレポート・課題等 40%
その他  0%
毎回の授業内容をふまえた課題・小テストを出すので、nfu.jpのスタディを通して、取り組むこと。また授業期間中、1回のレポート提出を求める。論述試験による期末試験を実施する。成績評価はこれらを総合して行う。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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