科目名 NPO/NGO論

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 3 後期開講 雨森 孝悦

テーマ
NPO・NGOは社会でどのような役割を果たし、そのためにどのようなマネジメントを行えばよいのか、どのように関わればよいのか

科目のねらい
<キーワード>
非営利  参加
社会的役割  自立性
持続可能性

<内容の要約>
グローバル資本主義の問題点を指摘する声が高まる中で、非営利組織とくに市民社会組織ともいわれるNPO、NGOの役割が、あらためて注目されている。この講義では基礎的な概念をしっかり踏まえながら、非営利組織について自ら調べたり議論したりしながら学習していく。
NPO・NGOはお金をもうけることがあまり期待できない領域で活動している。このため、組織の自立性を貫きながら財源を確保するにはどうしたらよいか、その時に本来の社会的使命を見失わないかというジレンマにつねに直面する。また、社会的信用もまだ十分とはいえない。こうした点について、組織の内部で運営する立場と、外部から支援する立場から考える。さらに、非営利組織が営利企業や行政、地域の諸組織と関係をどう切り結んでいくのかについても、みんなで検討していきたい。近年、社会的な目的を掲げる組織が、自主財源の確保を図る観点からあえて営利企業の形をとったり、逆に株式会社などが社会的な目的を追求したりしている。そうしたソーシャルビジネスについても見ていく。
重要なのは、一市民として社会に関する自分の意見、期待などをしっかり伝えたり議論できたりすることである。そうした意欲、能力を少しでも高められるようにする。

<学習目標>
NPO、NGO(非営利組織)が地域、国、グローバルな社会で果たす役割について説明できる
一市民としての立場からNPO、NGOにどのように関わるのかについて、自分の考えを述べることができる
非営利組織の制度の概要、運営上の課題と解決策について一通り説明できる
企業(市場)や行政によるサービスとNPOのサービスとの異同について説明できる

授業のながれ
導入講義―NPOの世界  非営利組織とは何か、NGOとの異同など基本的なことについての理解を進める。
市民活動としてのNPOの多様性と社会に占める位置を把握する。
NPOの地域に果たす役割、国際的役割  地域再生、国際協力・交流の分野の非営利組織についてみていく。NPOとNGOの違いや共通点についても検討する。
“NPOらしさ”について考える  多様な分野のNPOの活動から、行政とも企業とも違う、NPO独自の性格や役割について考える。
自分が関心をもつNPOについて、発表しあう。
NPO法人の制度  なぜNPO法人という制度ができ、どのような特徴をもつか、基本的なところを学ぶ
NPO法人の設立と運営  NPO法人を設立するにはどうしたらよいか、また設立後の運営について、内部の仕組みに留意しつつ理解できるようにする。
財源をどう確保するか  財源の種類ごとに、どのようにして資金を確保していくべきか、みていく。
NPOをサポートする仕組み  外部からNPOを支援する際のポイントを、実際の支援機関等の例から学ぶ。
NPOマネジメントの課題  社会的使命の大切さを理解し、ミッションを明確に掲げて追求するたためのツールを知り、試してみる。
信頼される存在となるために  行政による指導監督がいいのか、NPO自身による自主的な努力がいいのか、議論する。
行政とNPOの関係  対等でwin-winの関係を構築できないかを考える。
ソーシャル・ビジネスと企業の社会貢献  社会的な目的をビジネス的な手法で追求する組織と、営利目的でありながら社会貢献事業も行う組織を見ていく。
非営利組織の発展略史  戦後の非営利組織の発展の経緯について、その概略を理解できるようにする。
まとめ:社会の革新に果たすNPOの役割  社会の革新を目指すという観点から、NPOのできることを探る。

準備学習の内容・学ぶ上での注意
・毎回出席票代わりのコメント・質問用紙を配布し、教員と学生との間のコミュニケーションの手段とする。何を質問したらよいのかがわかれば、学習は大きく前進する。「質問力」が大事なのである。出された質問は翌週の授業で取り上げる。学生諸君といっしょに授業がつくれたら、と願っている。
・グループ討論などをよく行うので、積極的に参加することが望まれる。

事前事後 学習内容 時間数
事後 NPOの多様さについてネットで調べる 2
事後 ノーベル平和賞の受賞者(個人とNPO)についてネットや図書で調べる。 2
事前 レポート1 自分にとって関心のある非営利組織について。 5
事前 レポート2 講義推薦図書の中から1冊選び、重要だと思った論点について書く。 5

本科目の関連科目
 

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 50%
授業内でのレポート・課題等 30%
その他  20%
@授業への主体的参加度合い、Aレポート提出、B定期試験、で評価する。授業への主体的参加度合いとは、授業中の集中、質問、ディスカッションへの参加やファシリテーションなどによって測る。
レポートは、規定の長さに達しているか、課題に即しているか、文意がとれるか、字の誤りがひどくないか、自分のことばで書いているか、発見や洞察があるか、といった点から4段階で評価する。
定期試験は選択式と記述式を併用する。定期試験の比重がもっとも高いが、満点でもそれだけでは単位取得ができないようになっている。
 

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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