科目名 外国史特講

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 3 前期開講 望月 秀人

テーマ
ドイツ近現代史

科目のねらい
<キーワード>
異文化理解  近現代史
地方分権  国境

<内容の要約>
 ドイツと日本はしばしば国民性の類似や戦争責任問題での対照性などの点で比較される。しかし、ドイツの歴史自体は必ずしも高校世界史で詳細に教わるわけでもなく、両国の歴史には異なる点も多いことが、あまり理解されているわけではない。そこで、本講義ではドイツの地域性にも配慮しつつ、主として近現代史に焦点を当てて、日本の近現代史との異同を明らかにしたい。具体的には、ドイツというまとまりの漠然とした成立、中世におけるその展開をざっと概観したうえで、近世の帝国改造と宗教改革以降の統合と分裂の歴史、ナポレオン戦争以降のナショナリズムの高揚と第二帝政の成立、二つの世界大戦とその後のヨーロッパ統合の歴史について、日本との異同を意識しつつ論じたい。そのうえで、ドイツ近現代史から学べること、学ぶべきでないことを、具体的に考えていきたい。これによって、異文化理解、現代社会の構造と社会規範、地方分権の意義と課題、国境の変動などについて、歴史的に考える視点が養われるであろう。

<学習目標>
日本とドイツの比較によって、異文化理解の一助とすることができる。
近現代史を大きく学ぶことで、現代社会の構造と社会規範を深く理解することができる。
ドイツにおける分権と統合の歴史を学ぶことで、地方分権の意義と課題を学ぶことができる。
国境の持つ意味について考えることができる。

授業のながれ
ガイダンス:ドイツとは何か
ドイツ史のはじまり:神聖ローマ帝国の成立
帝国と教会:叙任権闘争の意味
中世封建制社会:ハプスブルク帝国の成立
近世の帝国改造:法共同体の形成とその課題
宗教改革:西欧初の宗派分裂と帝国
三十年戦争:宗教戦争、諸国家形成戦争として
プロイセンの台頭:財政軍事国家の形成
フランス革命の衝撃:ナポレオン戦争とナショナリズム
市民革命の時代:1848年革命と小ドイツ主義
第二帝政の成立:鉄血宰相の政策
第二帝政の時代:国民国家形成における排除と帝国主義
第一次世界大戦の衝撃:総力戦の時代
ナチズムの成立:ファシズムと民主主義
第二次世界大戦とヨーロッパ統合:平和のための課題

準備学習の内容・学ぶ上での注意
 講義中の徘徊、スマホいじり、私語など、学生として不適切な行動は基本的に禁止するが、講義中の質問は歓迎する(感想用紙に書いても可)。教職を目指す人は、手近に山川出版社の世界史教科書程度のものは携帯しておくことが望ましい。

事前事後 学習内容 時間数
事後 講義内容の復習 15
事後 新聞等により時事問題への関心を持つこと 15

本科目の関連科目
 歴史関係の科目

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 70%
授業内でのレポート・課題等 30%
その他 
 期末試験70%、レポート30%で評価する。試験は紙媒体持ち込み可の論述試験とし、講義内容に即した回答を求める。したがって丸暗記の必要はないが、自分の意見のみ書くとか、文献を丸写しするとか、講義内容に即さない回答では点数がつかないことを確認されたい。レポートは文献の要約を1600字以上で行うこととする。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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