科目名 アジア経済論

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 2 後期開講 原田 忠直

テーマ
アジア経済をアジアの一員として捉えなおし、理解を深めることを目指す

科目のねらい
<キーワード>
西洋からの視線  新自由主義
個性  貧困と希望

<内容の要約>
日本に限らず、ある国家が新自由主義の枠組みを受け入れるためには、一つの通過儀礼を必要とする。それは、その国の国民の一部を「ドレイ」(ここでいう「ドレイ」とは魯迅のいう「ドレイとドレイの主人とは同じものだ」を指す)として、あるいは人身御供として、「市場」へ捧げなければならない。周知のように日本では、新自由主義に捧げられた人びとは、「非正規社員」であり、近年の増加傾向は、日本における新自由主義の浸透を物語っている。そればかりか、本講義を受ける学生諸君も、さらに講義を担当する私自身も「ドレイ」にならないという保証はどこにもない。本講義では、新自由主義を受け入れたアジア諸国がどのような変化を遂げているのかを明らかにすることが一つの目的である。なかでも、中心的に取り上げる中国では、国有企業改革によって生み出された「臨時工」および農村から弾き出された民工が、「ドレイ」の役を担わされ、とくに約2億人に達するともいわれる大量の民工の存在は、中国社会における新自由主義の凄まじいまでの浸透を指し示しているといえよう。言い換えれば、国が違っても、「ドレイ」の増加傾向に変わりはない。本講義では、このような問題意識を念頭に、アジアの歴史を俯瞰しながら、さらには国々の諸特徴を紹介しつつ、21世紀のアジアについての考察を深めていく。

<学習目標>
西洋,日本からみたアジア経済を理解することができる
アジアの一員として、アジア経済のなかに自らを落とし込み自分の置かれた状況を理解することができる
日中関係についての理解を深めることができる

授業のながれ
アジアの停滞(西洋からみたアジア)
アジアの停滞(日本からみたアジア)
アジアの停滞(日本からみたアジア) 
中国の選択(社会主義国家の成立)
中国の挫折(文革再考)
ケ小平の2つの選択(改革開放政策と天安門事件)
新自由主義の衝撃(グローバル経済におけるアジアの位置づけと現状)
アジアの選択(タイ・ブータンなどの経済政策)
中国経済・発展のシェーマ(経済成長の軌跡)
中国経済・発展のシェーマの再検討@(伝統経済の再評価)
中国経済・発展のシェーマの再検討A(伝統経済の再評価)
中国経済の発展のシェーマの再検討B(伝統経済の再評価)
中国政治体制と経済発展の再検討(持続的経済成長の可能性)
日中経済のゆくえ@(歴史と現状)
日中経済のゆくえA(展望)

準備学習の内容・学ぶ上での注意
新聞・雑誌などでアジアに関する情報を収集し、授業で紹介するアジア関係の書物を読み、予習・復習を行うこと。本科目は全体を通じて合計60時間の事前・事後学習が必要である。

事前事後 学習内容 時間数
事前 天児慧著『中華人民共和国史』岩波書店2001年を読みノートの作成 5
事前 加藤弘之著『中国経済学入門』名古屋大学出版社2016年(序章・1章・2章』)を読みノートの作成 5
事前 原洋之介著『アジア型経済システム』中公新書2000年を読みノートの作成 5
事前 西口敏宏・辻田素子著『コミュニティー・キャピタル論』光分社新書2017年を読みノートの作成 5
事前 梶谷懐著『中国経済講義』中公新書2018年を読みノートの作成 5

本科目の関連科目
現在のアジア
地球人間学

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 50%
授業内でのレポート・課題等 50%
その他  0%
中間テストと定期試験

テキスト
□テキストを使用する
□レジュメを使用する
■未定 (最初の授業で指示する)
 



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