科目名 | 総合政策学 |
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単 位 数 | 学年配当 | 開講期間 | 担 当 教 員 |
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2 | 3 | 前期開講 | 藤森 克彦 |
テーマ |
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単身世帯を切り口に、社会保障制度改革、労働政策、財政政策の今後の方向性や課題を考える |
科目のねらい |
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<キーワード> 単身世帯 貧困 介護 社会的孤立 家族依存型福祉国家 <内容の要約> 日本の社会保障の一つの特徴として、貧困や要介護などの生活上のリスクに対して家族が大きな役割を果たしてきた点があげられる。他国を見ると、スウェーデンのように、主に「政府」による社会保障制度によって生活上のリスクに対応する国がある。また、米国では、「家族」でも「政府」でもなく「市場」から、本人が自己負担で福祉サービスを購入して対応する傾向が強い。日本は「家族依存型の福祉国家」とも言われ、家族が大きな役割を果たしてきたため、政府が支出する社会保障給付費の規模は低い水準にある。 ところが、日本の家族に依存した社会保障は、現在、岐路に立たされている。世帯規模が小さくなって、世帯内の支え合い機能が従来よりも弱くなっている。単身世帯の増加はその象徴である。単身世帯は、必ずしも家族のいない人ではないが、少なくとも同居人はいない。世帯内の支え合い機能が弱くなる中で、今後、どのような支え合い構造を築いていくべきか。 そこで本講義では、単身世帯の増加を切り口に、社会保障制度改革、労働政策、財政政策などを総合的に考察し、「支え合う社会の構築」について考えていく。 <学習目標> 福祉国家類型論から、日本の特徴を説明できる。 単身世帯の増加の背景から、非正規労働者の増加や未婚化の進展など今日的な課題を説明できる。 社会保障の機能強化の必要性と財政上の課題を説明できる。 地域包括ケアシステムと住民ネットワークの重要性を説明できる。 働き続けられる社会の意義と政策について説明できる。 |
授業のながれ |
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なぜ単身世帯を取り上げるのか―福祉国家3類型と日本の特徴 単身世帯の増加の実態とその要因―人口変動と世帯の変容@ 単身世帯の増加の実態とその要因―人口変動と世帯の変容A 勤労世代の単身世帯の抱える課題とその背景 高齢単身世帯の抱える課題とその背景 「単身世帯予備軍」の実態と課題ー5080問題 諸外国の高齢単身世帯―米国、ドイツ、スウェーデンとの比較 社会保障の機能強化と財政@ 社会保障の機能強化と財政A 単身世帯の住まいと地域づくり 勤労世代の単身世帯の就労―働き方改革と生活困窮者自立支援制度 高齢単身世帯と公的年金制度―働き続けられる社会に向けて@ 高齢単身世帯と公的年金制度―働き続けられる社会に向けてA 高齢単身世帯と成年後見制度 まとめ |
準備学習の内容・学ぶ上での注意 |
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@講義の中で課題を与えて、次回の講義でレポート提出と発表を求める。そのために、各講約1〜2時間程度の準備時間が必要となる。 A講義の中では「考えること」を重視するため、教員から学生に問いを投げかけ、学生に発言を求める対話型の講義を行っていく。また、グループ学習も取り入れていく。間違えることを恐れる必要はなく、自らの考えを積極的に発言することを求める。 B予習は必要ないが、講義後に授業で用いたレジメ、参考図書を使って復習すること。また、社会保障について、日ごろから、新聞や雑誌による多様な情報に接することが重要。新聞に記載されている社会保障関連の記事を読むこと。その際、「見出し」「要旨」「図表」から内容を推察すること。 |
本科目の関連科目 |
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社会保障論、公的扶助論 |
成績評価の方法 |
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講義内でテーマを定めて、課題あるいはミニレポートを課し、期末試験と合わせて評価を行う。 講義への参加姿勢(発言等)も評価の対象とする |
テキスト |
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□テキストを使用する ■レジュメを使用する ■未定 (最初の授業で指示する) |
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