科目名 障害児心理学

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 3 前期開講 江口 昇勇

テーマ
こども園や各種児童福祉施設等で将来、保育士が出会うことになるであろう様々な障碍児(についての知識とその対応技術を扱う。

科目のねらい
<キーワード>
障碍概念  パーソナリティの形成過程と親子関係
心理的援助技法  保護者との連携

<内容の要約>
障碍児心理学では、こども園(保育園・幼稚園)や児童福祉施設等で将来、保育士が必ず出会うことになる様々な障碍児についての基礎知識とその対応技術を扱う。体験的な学びを多く取り入れ、様々な障碍の疑似体験や障碍故に他者から受け取る差別的視線を実感してもらう。障碍児の適応能力を親子関係との関係性から見立てる力を学習し、パーソナリティ形成を精神分析的視点から俯瞰する。保育士に必要とされる心理アセスメントの判定力を習得する。人格査定をバウム・エゴグラムの実践により他機関からの情報を読み込める力をつける。可能なら深層心理も習得したい。そして、子どもとのかかわりを円滑にする心理的援助技法(呼吸法、リラクゼーション、描画法)を保育現場で実践できるように学習する。また、保護者が被虐待体験を有している場合、虐待の反復強迫から子どもが愛着障碍を示す危険性は大きく、障碍との合併から問題が複雑化する。今日的にはこうした保護者との関係を良好にする方法が喫緊の課題となっており、実技を通してその方法論を習得していく。

<学習目標>
様々な障碍について体験的に理解し、それを具体的に説明することができる
障碍受容度と親子関係の関係性を見立てることができる
障碍には多種多様なものがあり、重複している場合も多く、それを具体的に説明することができる
心理査定と心理的援助技法を保育・福祉の現場で活かすことができる
保護者との連携を円滑にする知識と技術、方法論を実践できる

授業のながれ
オリエンテーション;障碍の全体像;こころ(知的/精神/発達)と身体(からだ=視/聴/言語/肢体/内蔵)
福祉領域で出会う人たちの背景と保護者の抱える問題を考える; 精神障碍(その1);精神病・人格障碍・身体表現性障害・物質依存
こども園・福祉施設(児童・障碍・老人・婦人)の現実と保育士の役割 精神障碍(その2);解離性障碍・性同一性障碍・摂食障害・不適応という適応
障碍体験;感受性訓練(その1)視覚障碍を追体験、他者にどこまで身を預けられるか、言葉を使わないコミュニケーション等々
身体障碍・知的障碍を概観する
発達障碍;こども園・施設等の課題、保育士の逆転移を克服する
大人になった発達障碍
こころの成り立ち:精神分析の知見;適応能力を中心に
心理査定;エゴグラムから自分を見つめる/子どもとの相性を考えてみる
障碍児を育てる保護者が虐待に走るプロセス
集団での「いじめ」を体験する;感受性訓練(その2)
障害者への生涯支援;コミュニティー・アプローチ
心理療法の実際;事例検討/思春期危機を乗り越えた事例(箱庭療法の実践)
保育現場における保育士の心構え;保護者との連携を模索する(クレーマーとの連携)
まとめ

準備学習の内容・学ぶ上での注意
授業への積極的関与、発言、態度を重視する

本科目の関連科目
 

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 90%
授業内でのレポート・課題等 0%
その他  10%
 

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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