科目名 公民科教育法U

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 2 前期開講 船尾 日出志

テーマ
楽しく学べる公民科(哲学・倫理学)の授業を作る教員になる。

科目のねらい
<キーワード>
問う、考える、他者の意見を聴き、他者に意見を述べる  人間の尊厳を守る人を育てることができる
平和と民主主義の担い手を育てることができる

<内容の要約>
公民科、特にその哲学・倫理学の領域において、「民主的、平和的な国家・社会の有為な形成者として必要な公民としての資質を養う」授業を展開することができる教員としての知識・能力・態度を培う。そのために毎回の授業において「この1週間の新聞記事からみんなで考えたい問いを投げかける」という機会を設定し、学生が受け身にならず、主体的に問いを発し、能動的かつ協同的に学習を進められるよう支援する。もちろん、指導案を書き、自ら模擬授業をし、また他の学生の模擬授業から批判的に学べる機会も設定する。

<学習目標>
簡単に答えが出ないが、しかし哲学的あるいは倫理的に価値のある問いを発することができる。
発問を中心に設定して、高校生が楽しく学ぶことができる授業を構想することができる。
構想した授業を実際に模擬授業として実践することができる。
他の学生の模擬授業に生徒役として参加しつつ、批判的に学ぶことができる。
自身が人間の尊厳を守り、平和と民主主義の担い手である教員となれるよう努力することができる。 

授業のながれ
学習指導要領公民に示された公民科の構想を理解し、科目としての「現代社会」や「倫理」における哲学・倫理学的教材の根本内実を学ぶ。
具体的事柄にかかわる倫理的課題として、裁判員裁判への参加を想定しつつ自らの倫理性(正義)について考える。
「何が正義か」についてマイケル・サンデル教授の白熱教室をもとに考える。その際、「わたしの正義観はカント、ベンサム、アリストテレスの正義論のどれに近いか」というテーマで話し合う。
「利己主義とは何か」について、ドイツの中高等学校哲学教科書の記述をもとに考える。その際、「利己主義はなぜ非難されるのか」というテーマで話し合う。
「愛とは何か」という発問を通して哲学的問いの楽しさを味わう。その際、「わたしの愛こそ本物だ」というテーマで話し合う。
「幸せ」についてのイメージから、幸せについての哲学的考察を導入する。その際、「わたしの幸福観とさまざまな哲学者の幸福論」というテーマで話し合う。
ヘーゲルの思想から「親権を争う訴訟」について考察した実際の高等学校倫理の授業実践について考察する。その際、最新の情報機器および教材の効果的活用についても学ぶ。
生徒のコミュニケーション能力の向上を目指して「お互いを認め合う」というテーマで話し合った実際の高等学校倫理の授業実践について考察する。その際、最新の情報機器および教材の効果的活用についても学ぶ。
自らが考えた哲学的ないし倫理学的発問にかかわる教材開発および教材研究
自らが考えた哲学的ないし倫理学的発問を中心に設定した公民科授業のための学習指導案の構想と作成
模擬授業1回目と評議および修正指導案の作成
模擬授業2回目と評議および修正指導案の作成
模擬授業3回目と評議および修正指導案の作成
修正指導案にもとづく模擬授業の実施と評議
総括と今後の学習課題

準備学習の内容・学ぶ上での注意
@できるだけ毎日、新聞(朝日、毎日、中日等)を読み、公民科の教材になりそうな、あるいは公民科の授業に参考となりそうな記事を切り抜き、ファイルする。切り抜くことが難しい場合は、新聞社名・日付・見出し等をメモしておく。A模擬授業やプレゼンテーションには誠実に対応する。B配布する資料は原則として毎回持参する。本科目は全体を通じて合計60時間の事前・事後学習が必要である。

本科目の関連科目
公民科教育T、社会科教育V

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 0%
授業内でのレポート・課題等 70%
その他  30%
模擬授業やプレゼンテーションも重視する。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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