科目名 公衆衛生看護方法論T

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 3 前期開講 肥田 佳美、水谷 聖子、中村 廣隆

テーマ
地域で生活する様々な人々の健康ニーズと生活への理解を深め、1次予防を中心に公衆衛生看護の機能や役割を理解する。授業の前半で、健康教育の計画から評価までの看護過程を学習する。後半で、対象の特性に応じた看護活動の展開を多職種連携を含めて学習する。

科目のねらい
<キーワード>
地域  生活
健康教育  ヘルスプロモーション
ニーズモデル・アセットモデル

<内容の要約>
 地域で暮らす様々な人々の健康が、どの様な要因、影響から成立しているかを理解する。授業の前半では、公衆衛生看護の格となる健康教育
(健康学習)の知識・技術を修得する。はじめに、時代とともに変化する健康教育(学習)モデルを外観する。ヘルスビリーフモデルについては事例を通してグループで学習し、人々の保健行動に必要な行動変容の支援方法を学習する。次に、講義と演習でPDCAサイクルに沿い小集団を対象とした健康教育の目的、対象の理解、指導案の作成、実施、評価の一連の流れをグループ学習する。実施の段階は、ロールプレイを通して学習する。
 授業の後半では、母子保健・成人保健・高齢者保健・障がい者(児)支援など対象別の理解と公衆衛生看護活動を学習する。公衆衛生看護を実施する上で必要な地域の社会資源、保健・医療・福祉の連携を事例や地域システムを通して学習し、他分野・多職種との協働の必要性について理解を深める。さらにニーズモデルとアセットモデルの相違を踏まえ、ソーシャルキャピタルと健康の関連性についても理解する。


<学習目標>
地域で生活する人々の健康がどのような要因、影響から成立しているかを理解することができる。
公衆衛生看護活動における健康教育の基礎的な知識・技術を習得し、PDCAサイクルに沿い展開することができる。
対象別の理解と公衆衛生看護活動の実際について学習し、事例を通して地域の社会資源の活用、他分野・多職種協働の必要性を考えることができる。

授業のながれ
講義:健康教育の理念・目的・歴史
講義:健康教育のモデルと事例
講義:ヘルスプロモーションと健康教育 地域づくり型健康学習の思考過程を学ぶ 
講義:PDCAサイクルに基づいた健康教育の進め方
演習:健康教育 グループワーク1 オリエンテーション、指導案作成:目的・目標設定と対象の理解、文献検索 
演習:健康教育 グループワーク2 指導案作成:指導項目・指導内容、媒体、評価方法の作成
演習:健康教育 グループワーク3 指導案作成:口述原稿の作成
演習:健康教育 グループワーク4 発表のリハーサル
演習:健康教育 発表(第1回 前半グループ)
演習:健康教育 発表(第1回 後半グループ)
演習:健康教育 グループワーク 5 実施後の評価と指導案の修正、リハーサル
演習:健康教育 発表(第2回 前半グループ)
演習:健康教育 発表(第2回 後半グループ)
講義:健康教育 各グループ及び全体の評価結果とまとめ
講義:学校保健@ 学校保健の基礎的知識と看護職の役割
講義:学校保健A 小学校における学校保健の実際と養護教諭(教員)の役割  
講義:学校保健B 中学校における学校保健の実際と養護教諭(看護職)の役割 
講義:産業@ 産業保健・産業看護の動向 
講義:産業A 労働衛生管理体制
講義:産業B 健康管理における看護の役割
講義:産業C 産業保健・産業看護活動の実際と課題
講義:産業D
講義:行政@ 対象別活動:成人・高齢者の生活と公衆衛生看護活動
講義:行政A 対象別活動:乳幼児の生活と公衆衛生看護活動
講義:行政B 対象別活動:障がい児(者)の生活と公衆衛生看護活動
講義:行政C 地域における社会資源の考え方とその活用を学ぶ1:社会資源の基礎的知識と事例紹介
演習:行政D 地域における社会資源の考え方と活用を学ぶ2:事例についてグループワーク学習
講義:行政E 保健・医療・福祉の連携・協働の歩みと地域包括支援システム
講義:行政F ニーズモデル・アセットモデルから理解するソーシャルキャピタル
講義:まとめ

準備学習の内容・学ぶ上での注意
 前半で取り上げる健康教育については、看護・医療分野で核となる活動であると考えます。活動の場がどこであっても個人、或いは集団に対して日々の業務でその視点が必要になります。講義・演習を通してしっかりとその基本を身につけて頂きたいと思います。看護職は医療・看護の用語が理解できますが、一般住民の方々に対してどの様なことばや手段で内容を伝えるのか、また、わかってはいるけど止められないといった健康を害する生活習慣をどの様に変化させ支援していくのか・・・。難しいですが、やりがいのある活動だと思っています。予防的視点として、健康の保持・増進には疾病以外のその人に関わる様々な環境や要因が関連していることを健康教育をとおして学習してください。皆さんの授業外での学習は、日ごろから周囲の人たちの保健行動について意識して観察して頂くことです。健康を維持する楽しさ、困難さを生活している人々から感じ取り興味を持ってください。授業ではグループワークを行う機会があります。積極的なディスカッションとメンバーへの協力的な姿勢を期待します。

本科目の関連科目
 公衆衛生学、健康管理学、公衆衛生看護学概論、疫学、保健統計学、保健医療福祉政策論、人間の形態と機能T、人間の形態と機能U、ストレス心理学、社会福祉学、家族社会学、保健行動論、多職種連携論

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 0%
授業内でのレポート・課題等 70%
その他  30%
授業内の課題・小テスト(40%)、レポート(30%)、その他(30%)で総合的に評価します。

テキスト
■テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
<著者>宮坂忠夫、川田智恵子、吉田了 <テキスト名>最新保健学講座 健康教育論 <出版社>メヂカルフレンド社
<著者>厚生労働統計協会 <テキスト名>国民衛生の動向2017/2018 <出版社>厚生労働統計協会



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