科目名 病理学

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
1 1 後期開講 北川 章

テーマ
人間の疾病について、その原因と発生機序を、細胞組織の形態変化と照らし合わせ学習する。

科目のねらい
<キーワード>
細胞と細胞外マトリックス  病気の原因→現象→変化
看護の現場で病気を自分なりに考える力  病理学的観点からの看護アセスメント

<内容の要約>
病気の原因→現象→変化は、患者一人一人、全て異なり、多様である。しかし、体を構成する物質の相互作用、その根本を把握し、謙虚に現場の現象を受け止めれば、どの病理も自分の頭で想像することが可能である。講義では、生き物はなぜ病気になるのか、そしてなぜ老化するのか、生命とは何かという根源から始め、秩序の破壊と再構築が繰り返される生命において、各病気が、なぜ起こり、どのように転帰していくのか、解き明かしていく。細胞とその周囲に展開される環境=細胞外マトリックスというものに着目、それらの変化でおこる多様な病気のメカニズムを講義する。本講義では、学生が各人、病理学的考え方を身に着け、看護の現場で病気を自分なりに考える力を身に着けることを目標としている。これができれば、基礎知識を病理学看護現場での生きた力に変えることができる。例えば、病理学的観点からの看護アセスメントができうことが一つの目標となる。
また本講義では、コラーゲンなどに代表される細胞外マトリックスを軸として疾病を解釈している。これは、世界的にもユニークな病理授業となっているので、是非楽しんでもらえると嬉しい。

<学習目標>
病因と疾患との因果関係を分子生物学、細胞生物学の文脈の中で説明できる。
病理組織の観察データを理解できる知識と視野を身につける。
各疾病における、病理診断方法を理解、病気における診断視野を身につける。
病理学的観点からの看護アセスメント、看護の方向付けができる。
病理学的考え方を身に着け、看護の現場で病気を自分なりに考えることができる。

授業のながれ
病理学第一回講義:病理学とは何か@; 看護における病理学の位置づけ 
病理学第二回講義:病理学とは何かA; 病理診断、老化と病理。
病理学第三回講義:細胞の変化と病気
病理学第四回講義:細胞外マトリックスと病気@;細胞外マトリックスとは何か。
病理学第五回講義:細胞外マトリックスと病気A;細胞外マトリックスの変化が引き起こす疾患。
病理学第六回講義:循環障害@; 血液循環の仕組み。止血、溶血の仕組み。
病理学第七回講義:循環障害A; 循環障害が引き起こす病気。
病理学第八回講義:炎症@;炎症の仕組み。炎症過程と転帰について。
病理学第九回講義:炎症A;各組織における炎症。炎症性疾患について。
病理学第十回講義:免疫@;免疫の基本概念。液性免疫と細胞性免疫。
病理学第十一回講義:免疫A;免疫反応由来の病気
病理学第十二回講義:腫瘍@; 腫瘍とは何か? 腫瘍の原因と診断について。
病理学第十三回講義:腫瘍A; 腫瘍のメカニズム。がん治療について。
病理学第十四回講義:感染症
病理学第十五回講義:病理学講義まとめ; 看護力を養う、考える病理学とは。

準備学習の内容・学ぶ上での注意
1.事前、事後の学習
本講義では、病気について、@ “何が原因”か? Aその原因を引き起こしたのは何か?Bその原因によって、体内の“どこに”、“どんな現象”がおこったのか?Cその現象によって、“どんな病気”が発生したのか?D その病気は、体内の“どこに”、“どんな変化”を与えるのか?( 症状と合併症)E “どんな治療法”があるのか? F “予後” (手術や、治療処置後) はどうなるのか? を学習する。病気に対峙したとき、以上、@〜Fの原因と結果、その相互関係を考えると、理解が深まる。学生は @〜Fを念頭において授業を受け、授業後に各疾患について@〜Fの形でまとめ、ノートを作成する。病気を@〜Fで記述すること、は最終試験の問題の一つである。
2.授業に望む上での注意
本講義で学生に望むのは、自分なりに病気を咀嚼する力を身に付けること。病気に対応するスタンスの確立である。
故に基礎学問と臨床看護との橋渡しを念頭に授業を行う。
具体的には、本講義内で数回にわたり、実例問題を提起し、病理学的観点からの看護アセスメントを講義するので、各学生は、病理学的観点からの看護アセスメント、看護の方向付けができるように努力すること。
病理学的観点からの看護アセスメントは最終試験で各学生に記述してもらう。


本科目の関連科目
生理学、 分子生物学、 細胞生物学、 解剖学

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 70%
授業内でのレポート・課題等 30%
その他  0%
提出物(授業毎に疑問、感想などを書いてもらい提出。1回2点×15回)30点、筆記試験100点を総合して成績を評価する(総計130点。60点以上合格)。
つまり、筆記試験が30点であっても、全授業で提出物を完遂すれば、30点+30点=60点で合格とする。


テキスト
■テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
<著者>深山正久/編  <テキスト名>はじめの一歩の病理学 第2版 <出版社>羊土社



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