科目名 子どもの保健演習

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
1 2 後期開講 海口 富士江

テーマ
子どもの健康増進と発育・発達、そして疾病予防を支援するための各領域の専門知識と、それらにかかわる必要な実技を習得する。

科目のねらい
<キーワード>
保健活動 子どもの人権 保健計画 評価  養護と教育 健康増進 生活習慣
子どもの感染症 予防と対応 健康安全と管理  救急法 看護とケア
子どもの養育環境 地域

<内容の要約>
子どもが健やかに発達していくことが困難な子育て環境になってきている。自然と触れ合う体験の極端な減少、乳幼児期からの長時間の電子メディア接触など、自然環境や他者とのかかわりによって、人間として発達していくことができにくくなってきている。核家族化、少子化、人間関係が希薄になりがちな地域の状況、長時間労働や不正規雇用など、養育者を取り巻く社会問題はきびしく、育児不安に陥りやすい現実がある。子どもが養育・保護される家庭が脅かされている社会環境であるが、養育者は子どもが安心感と生きる喜びを実感し、自立に向け心身共に健やかに育って欲しいと願っている。保育者は子どもの発達や成長を支えるプロフェッショナルとして力量を求められる共に、養育者の子育てを支える役割も期待されている。子どもたちの発育・発達の原則を理解し、生活実態を捉えた健康増進を促し確かな成長発達を支援できる保育者を育てたい。そのために必要な専門的な知識とそれらにかかわる実技を習得できる講義を展開したい。

<学習目標>
保育における保健活動は、子どもの人権を守る活動であることを認識できる。
子どもの心身の発育発達の原則を学び、そのすじみちに応じた支援ができる。
子どもの実態を丁寧に観察し、疾病や傷害、事故など、子どもの育ちに逆行する状況に対応できる。
子どもに必要な生活環境を養育者と共に創り上げることができる。
保健活動計画を作成し、活用及び評価することができる。

授業のながれ
子どもの保健演習の意味、子どもとは・・・、保育者の姿勢(児童憲章、子どもの権利条約、虐待防止法の学びから)
子どもの保健安全にかかる保健活動計画の概要、その活用及び評価、健康観察の重要性
養護と教育の一体性とは、子どもの生活習慣(生活環境、睡眠、食、排せつ、清潔習慣など)と心身の健康及び発達との関連
子どもの疾病と適切な対応(感染症の予防と対策、個別に配慮を要する子どもの対応、けいれん、アレルギー、心疾患など)
保育における看護とケア(発熱、嘔吐、下痢、脱水、腹痛、便秘、発疹など子どもに多い疾病への対応)、日常的なけがの応急処置(湿潤治療の実際)
子どもに起きやすい事故の応急処置(ショック、止血法、頭部外傷、骨折、脱臼、熱傷、異物の誤飲)、緊急性の判断と救急体制
子どもの救急法、一次救命処置(心肺蘇生法)、熱中症の重症度、三角巾による応急手当の実際
子どもの発達のみちすじ(発育の原則性、心の発達理論、愛着障がい、発達障がいなど)、アナフィラキシー症状の対応、質問に答えて
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準備学習の内容・学ぶ上での注意
日常的に子どもと接する機会や観察する機会を意識的につくり、保育士として必要な「子どもを理解する」「健康と異常の違いに気づく」「子どもや養育者の要求を理解する」「子どもの養育環境としての地域保健活動のあり方を探る」などの能力を育てて欲しい。その積み重ねによって、保育に向き合うことの意味や学びの意味が深まり、より豊かな保育観につながると考える。子どもにかかわる社会情勢を知り、子どものおかれた立場を敏感に感じとり、保育者としてどう考え何ができるのかを常に熟慮する。そのことが、保育者としての姿勢を鍛え、子ども観を深めることにつながる。講義の時間数が限られているため、事前に教科書を読むことをして強く勧めたい。授業時にお勧めの図書を提示すので、積極的に読んでほしい。

本科目の関連科目
子どもの保健演習T

成績評価の方法
課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
そ の 他
30%
50%
0%
20%
0%
授業への参加状況、学習成果を見る小テスト、及びそれぞれの課題の到達度、レポートなどによって、総合的に評価する。

テキスト
■テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
<著者>榊原洋一(監修)、小林美由紀(執筆) <テキスト名>これならわかる 子どもの保健演習ノート 改訂第3版 <出版社>診断と治療社



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