科目名 地誌学

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 3 後期開講 杉江 あい

テーマ
第三世界の新たな地誌

科目のねらい
<キーワード>
地誌  地理教育
地域研究  植民地化
第三世界

<内容の要約>
地誌は、自然・社会環境を網羅する地域の知を記述したものであり、現在の日本の地理教育の中心となっている。地誌の歴史は古く、世界的には紀元前6〜5世紀にヘカタイオスによって記された『世界周遊記』や、日本では奈良時代に作成された『風土記』が最古の地誌として知られている。他方で、近代以降に体系化された地誌は、植民地政策や戦争に利用された歴史を持つ。現在においても、ともすれば地誌は特定の地域に対する固定観念や偏見を再生産しかねない側面を持つ。本講義は、こうした地誌の歴史や側面を踏まえた上で、新しい視点と方法によって描かれた第三世界の地誌を題材として取り上げる。第三世界は、植民地化の過程で一方的に表象され、現在も貧困や差別等の否定的なイメージで語られることが多い。本講義では、第三世界の新しい地域像を吟味することを通じて、地誌における記述やそれを用いた地理教育が今後、いかになされるべきかを考える。

<学習目標>
1.地誌の歴史や背景を理解することを通じて、地誌における記述内容を批判的に捉える視点を身につける。
2.日本の地理教育における地誌の役割を学び、教育実践上の地誌の問題点や課題を、主体的に考えることができる。
3.地誌における記述やそれを用いた地理教育が今後、地域理解の媒介として、いかに持続・改善されるべきかを主体的に考えることができる。

授業のながれ
地誌とは―イントロダクション
日本の地理教育における地誌
第二次世界大戦下の日本人による地誌
新しい地誌への試み
パプアニューギニアの人々の歴史と空間
トレス海峡諸島の地域社会
インドネシア・ジャカルタの都市
マレーシアの都市
フィリピンの地域変化
南アフリカ共和国の都市
カリブ海地域の地域像
バングラデシュの地域像
ネパールの地域像
日本の地理教育におけるインド農村
マルチメディアによるモンゴルの地誌

準備学習の内容・学ぶ上での注意
毎回の講義では、コメント・シートに(講義中にできなかった)質問・感想を記入し、提出すること。次回の講義内容に該当する「テキスト」の箇所を示すので、その箇所を一通り読んでくること。また、講義には中学・高校で使用したものでよいので、地図帳を持参することが望ましい。

本科目の関連科目
地理学概論A、地理学概論B、人文地理学、社会科教育法T(地理的分野)

成績評価の方法
課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
そ の 他
0%
0%
0%
60%
40%
毎回の講義で提出するコメント・シート、講義での発言等の平常点40点、期末試験(レポート試験)60点。レポート試験の内容については、最初の講義で説明する。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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