科目名 知的障害児の心理

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 2 前期開講 江口 昇勇

テーマ
知的障害を体験的に学習し、パーソナリティ形成を親子関係から把握する術を習得。さらに心理査定の見立て方と心理的援助技法の教育現場での活用を目指す。そして対応困難な保護者との連携を可能とする訓練を体験する。

科目のねらい
<キーワード>
知能構造  体験的授業
パーソナリティ形成  心理的援助技法
保護者との連携

<内容の要約>
授業では、特別支援教育の現場で教師が知っておくべき知的障害の基礎知識とその対応技術を扱う。障害全体の中で知的障害の位置づけを行い、内因・外因による行動特徴の違いや知的能力の程度による諸々の違いを概括する。できるだけ体験的学びを多く取り入れ、知的障害の疑似体験や障害故に他者から受け取る差別的視線を実感してもらう。次に知的障害児の適応能力を親子関係との関係性から見立てる力を習得する。そして、パーソナリティの形成過程を精神分析的視点から俯瞰する。更に特別支援学校の教師に必要とされる心理アセスメントの結果から推測される判定力を学ぶ。知的能力の構造をウエクスラー式とビネー式、幼児における発達質問紙法から習得する。また人格査定ではバウムやエゴグラム等を実践し、他機関から提供される情報を読み込む力をつける。実技としては、子どもとのかかわりを円滑にする心理的援助技法(呼吸法、リラクゼーション、描画法)を教育現場で実践できるように演習する。保護者が被虐待体験を有している場合、虐待の反復強迫から子どもが愛着障害を示す危険性は大きく、障害との合併から問題が複雑化する、今日的にはこうした保護者との関係を良好にする方法が喫緊の課題となっており、実技を通してその方法論を習得していく。

<学習目標>
知的障害を体験的に理解した上で、その中身を他者に具体的に説明できる
知能の構造をウエクスラー式知能検査から読み取ることができるようにする
パーソナリティ形成と親子関係のつながりを精神分析学的視点から把握する
心理アセスメントと援助技法を習得、教育現場で実践することができる
保護者との連携を円滑にする知識と技術、方法論を実践的に習得する

授業のながれ
障害の全体像と知的障害(内因VS外因)
ライフサイクルから見た知的障害児・者の教育と福祉のあり方
知的障害体験;2人組での感受性訓練T(様々な障害を想定して)
こころの成り立ち;適応力と精神力動(精神分析の基礎知識)
子どものパーソナリティ形成と親子関係;愛着障害の関与
知的能力とは何か? ウエクスラー式、ビネー式知能検査と発達質問紙の見方
パーソナリティの査定T;バウム、エゴグラム、深層心理の測定方法と解釈
子どもと保護者の声に耳を傾ける(カウンセリングの基礎実習)
重複障害の問題;発達障害、精神障害、人格障害との関係
いじめ体験;二次障碍、こころの傷をいじめ体験(感受性訓練U)を通して体験的に学習する
子どもとの円滑なかかわり技法(描画、コラージュ、呼吸法、レラクゼーションゼーション)
知的障害者への生涯支援
知的障害とコミュニティ・アプローチ
特別支援教育における教師の心構え;保護者との連携を模索する(クレーマーとの連携)
まとめ

準備学習の内容・学ぶ上での注意
授業への積極的関与、発言や態度を重視する

本科目の関連科目
心理学、精神医学

成績評価の方法
課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
そ の 他
0%
0%
0%
70%
30%
 

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



(C) Copyright 2017 Nihon Fukushi University. all rights reserved.
本ホームページからの転載を禁じます。