科目名 | 外国史特講 |
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単 位 数 | 学年配当 | 開講期間 | 担 当 教 員 |
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2 | 3 | 前期開講 | 望月 秀人 |
テーマ |
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パリから考える西洋史 |
科目のねらい |
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<キーワード> 具体的な事例から社会の在り方や世界史の大きな流れを理解する。 一都市の景観にいかに歴史が刻み込まれているかを理解する。 異文化理解を通じて、現在の日本社会と今後の展望について考える視座を養う。 <内容の要約> 歴史学は現代の社会の成り立ちを考える上で重要な学問であるが、その地理的多様性ゆえに、一般的な流れが見えにくくなっているのが現状である。そこで本講義では、パリという比較的日本人にとってもなじみの深い一都市の歴史を取り上げ、その具体的な事例から西洋史の大きな流れをつかむことで、歴史学の意義を理解させたいと考えた。 パリは古代ローマ帝国の時代から存在する都市であり、フランク王国やカペー朝のもとで王国の都となった。中世のパリは封建制を考える上で重要な位置を占めるし、ツンフト規約も比較的豊富に残り、また西洋有数の歴史を誇る大学都市である。宗教戦争、絶対王政、市民革命を扱う際に、この都市を外して論じることはほぼ不可能と言ってよい。現代史においても、二度の世界大戦、五月革命といったテーマに事欠かない。このように、西洋史の通史を一都市の事例でたどれる例はまれである。したがって、この都市に残るこうした長い歴史の遺産を概観しながら、各時代の社会のあり方が都市の景観の中にいかに刻み込まれているのかを考えることも可能になる。これは一種の観光案内の役割を果たすと同時に、私たちが自分の周囲の地域を多面的かつ論理的に考察する際の手掛かりをも提供することにもなると考える。 <学習目標> 具体的な事例を通じて社会の在り方を構造的にとらえることができる。 一都市の事例を通じて、西洋史の基本線が理解できる。 都市の景観の中に重層的に積み重なる歴史について、イメージをもつことができる。 西洋史の事例を通じて、自分が生きる社会の現状と今後について考えることができる。 |
授業のながれ |
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ガイダンス:講義と評価基準の概要、基本用語の定義、歴史学について パリの概観:現代パリの概観 パリの成立:古代都市パリの成立 中世の王都パリ:カペー朝とアンジュー帝国 中世都市パリ:街区・教区・同職組合 大学都市パリ:カルチェ・ラタンの起源 絶対王政への道:常備軍、身分制議会、売官制、宗教戦争 絶対王政の意義と限界:絶対王政は専制的だったのか フランス革命の勃発:複合革命の展開 ナポレオン伝説の誕生:19世紀文学を素材として パリ大改造:中世都市から近代都市へ 文化都市パリ:19〜20世紀文学の中のパリ パリにおける総力戦:第一次世界大戦の脅威 ナチス支配下のパリ:第二次世界大戦期 戦後のパリ:五月革命と移民問題 |
準備学習の内容・学ぶ上での注意 |
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できるだけ初心者にも分かる講義を心がけるが、世界史未受講者はテキストや高校世界史の教科書を手元に置き、理解できない事柄については常に確認のできる態勢をとっておくことが望ましい。また、新聞やニュースを通じて、常に現代の社会情勢についての知識をもっておく必要がある。 講義中に教室から勝手に出ていくことは禁止する。 |
本科目の関連科目 |
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歴史・地理関連の科目とは関連が深い。 |
成績評価の方法 |
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レポートについてはデータの出所を明示する必要があり(ウィキペディアは出所にはならない)、また当然のことながら、コピペ・盗作は0点とする。小テストないし定期試験は論述問題とし、文章で書かなければ点数がつかないものとする。紙媒体であれば持ち込みは可能とするが(電化製品は禁止)、初心者にも分かるよう基本用語はきちんと説明する必要がある。また、講義内容に即して回答することとする。自分の意見が講義内容と異なる場合にはそれを書いてもかまわないが、点数は講義内容の部分のみでつける。 |
テキスト |
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□テキストを使用する ■レジュメを使用する □未定 (最初の授業で指示する) |
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