聴覚障害児教育論

科目名	聴覚障害児教育論

単位数	学年配当	開講期間	担　当　教　員
2	3	前期開講	藤井　克美

テーマ

聴覚障害児教育のあり方を、その目的、思想、文化について、障害、歴史、言語指導法、教育課程、インテグレーション・インクルージョンから考える。

科目のねらい

＜キーワード＞
特別支援学校と聾学校・難聴学級　　　バイリンガル・バイカルチュラル教育
聴覚障害児教育史　　インクルージョンとろう教育
言語発達の節と聴覚障害児教育

＜内容の要約＞
今日、わが国の聴覚障害児教育は大きな転換期の中で、聴覚口話法だけでなく手話を導入した教育指導法を創造しようとしている。聴覚障害児が日本語と手話を言語とし、必要な場合代替補助手段を含めて学習を進めていくためのインクルーシブな聴覚障害児教育論をを学ぶ。聴覚障害児の生理や心理及びその教育史を概観し、この教育の目的、思想、文化について、現在の課題としての教育課程、言語獲得の論点及び現場の実態や手話も学び、インクルージョン教育の一環としての聴覚障害児教育の基礎を学習する。

＜学習目標＞
聴覚障害について、医学モデルと社会モデルの両面から理解する。
国際的な視野も持って聴覚障害児教育史を理解する。
聴覚障害児の言語獲得過程と言語指導法について論点と課題を理解する。
聴覚障害児教育をめぐってのインテグレーション・インクルージョンの潮流を理解する。
特別支援教育体制の中での聴覚障害児教育にあり方についての理解を深める。

授業のながれ

科目オリエンテーション・聴覚障害とはー医学的モデルと社会的モデルー
歴史上の聴覚障害者とその教育（目的・方法・文化・思想）ー諸外国と日本ー
聴覚障害児の生理と病理ー「聞こえにくい」という障害と人としてい生きることー
聴覚障害児者の心理ーコミュニケーション障害と心の通いー　
聴覚障害者のコミュニケーションと教育ー聴覚障害児教育の歴史と手話・口話ー
幼児期のことばの獲得ーことばの獲得と環境ー
話しことば・日本語と手話、バイリンガル・バイカルチュラル
９・１０歳頃の教育課程、言語獲得ー抽象語・私の中の私・三つの心ー
ろう家族・きょうだい・ろう両親と健聴児（CODA）
聴覚障害者とコミュニケーションー聴覚障害者の権利保障運動、手話通訳の制度ー
手話と口話・ろう文化
インテグレーションと聴覚障害児教育
日本の聴覚障害児教育の現状と学習指導要領
サラマンカ宣言・国際障害者権利条約と手話言語
講義のまとめ

準備学習の内容・学ぶ上での注意

聴覚障害児教育は、一般教育の応用教育であることと、言語獲得の指導法は言語発達や障害についての深い理解や技術が求められることや環境創りが重要になる教育分野であるので、それらの基礎的な学習をすることが重要である。とりわけ、人が言語を獲得する過程を基礎として学ぶことが求められる。そして、日本語を学ぶ環境、手話を学ぶ環境を整備についても考えてもらいたい。また、憲法、教育基本法、学校教育法等の基礎的な学習も必須である。さらに、毎回、手話のミニ講座をするので、本学の聴覚障害学生や成人ろう者と積極的に会話することを望みたい。紹介している本学図書館にある参考文献はぜひ読んでほしい。

本科目の関連科目

特別支援教育、心理学、障害者コミュニケーション、障害者福祉、聴覚障害児指導法、ろう文化と手話、聴覚障害者の理解と支援

成績評価の方法

課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
その他

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課題・小テスト　　0%
レポート　　　　　60%
中間試験　　　　　0%
定期試験　　　　　40%
その他　　　　　　0%
毎回、受講感想文を提出し、それを出席点として３０％、中間レポートを２回で３０％、期末試験４０％の配分で総合的に評価する。感想文、レポート内容は教職科目としての自覚的内容を問う。

テキスト

□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定（最初の授業で指示する）