科目名 | 社会福祉原論U |
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単 位 数 | 学年配当 | 開講期間 | 担 当 教 員 |
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2 | 2 | 後期開講 | 木戸 利秋 |
テーマ |
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社会福祉原論Uでは、原論Tの基礎をふまえ社会福祉の政策課題を講義する。社会福祉を通して、人間らしく生きることのできるような社会の変革に、どう主体的に寄与していくことができるか、実践的であり、政策的な課題を考える。 |
科目のねらい |
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<キーワード> 社会福祉の政策 社会福祉の理論 社会福祉の歴史的視点 <内容の要約> 社会福祉の政策や制度は、従来は国や地方自治体の文脈で使うことが多かったが、現在はそれに加え、行政の枠組みをこえて、地域の様々な主体が政策形成や実施局面へ関わることを含めて、捉えるように変化しつつある。例えば、地域主権、新しい公共という動向である。他方、社会福祉政策をどう捉えるのかについては、戦後の各時期において政策研究や理論の面からも問題になってきた。それらの理論とその登場の背景を理解することは、社会福祉の現在の課題を捉えなおす意味からも重要である。 また社会福祉の歴史から発展段階ごとに社会福祉の特徴をみると、そこには時代が求める社会福祉の課題が存在していたことがわかる。したがって、政策課題を理解するためには歴史的アプローチや国際比較の視点が不可欠になる。 さらに、社会福祉政策や制度を与えられるものという発想ではなく、みずからつくり上げるものという立場で考えると、ボトムアップの視点から社会福祉の必要(ニーズ)や資源をどう政策的に捉えるのか、そして地域の実践課題にまでもっていくのかが重要になる。 最後に高齢者や障害者福祉に関わる社会福祉の政策課題を論じる。 <学習目標> 社会福祉の主要な理論や政策論について、その内容を説明することができる。 歴史的な発展段階からみた社会福祉の各段階の特徴を説明することができる。 社会福祉の必要(ニーズ)や資源の意義について、説明することができる。 |
授業のながれ |
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オリエンテーション:授業のねらいや進め方、授業以外での学習の仕方、成績評価の方法について理解する。 社会福祉の政策と制度(1)社会福祉政策という用語が一般的に使われる文脈を説明しながら、政策と制度との関係について具体的な事例をあげながら理解を深める。 同上(2)政策や制度が機能するプロセスには、政策主体のねらいにそって上からトップダウンで行われていく側面と、地域の住民や社会福祉の当事者等の意見をふまえたボトムアップの側面があることを理解する。 社会福祉の理論(1)戦後、社会事業(社会福祉)を構造的な視点からどう捉えるのかが問題になった。高度成長期に国民生活が変化すると、さらに新たな理論展開が行われてきたことを理解する。 同上(2)1970年代の低成長期に入ると、資源の有限性を前提に供給面を重視した社会福祉政策論が注目されるようになった。供給体制論とその背景を理解する。 同上(3)以上の政策論を中心とする理論に対して、社会福祉の処遇原則に着目した社会福祉理論について取り上げる。 中間まとめ 前半の講義を通して学んできた政策や制度の考え方と社会福祉の理論との関わりについて、ふりかえる。 社会福祉の歴史的視点(1)英国を素材にして、社会福祉の各発展段階(救貧法・慈善事業、社会事業、社会福祉)の特徴を理解する。 同上(2)日本を素材にして、社会福祉の各発展段階(慈善事業、社会事業、社会福祉)の特徴を理解する。 同上(3)国際比較の視点から、福祉国家のモデルについて理解する。 社会福祉のニーズと資源(1)社会福祉の必要性(ニーズ)をどう理解するのか、必要と需要はどう違い、また関連しているのか、政策的に捉えたニーズの特徴はなにか、などを理解する。 同上(2)社会福祉の必要(ニーズ)を充足するには、制度を活用するだけでなく、資源をどう創出するかという視点が重要になる。社会福祉における資源の考え方について理解する。 社会福祉の政策課題(1)高齢期の介護保障を素材にして、介護保険や地域包括ケアの政策課題、とりわけ地域からみた実践的な政策課題について理解する。 同上(2)公表された障害者総合福祉法の骨格には、従来の福祉関連の法制度にはあまり見られない政策理念が提示されている。総合福祉法の骨格、実施までの課題を理解する。 まとめ ソーシャルワークの目標には社会変革が謳われているが、社会福祉と社会変革の関係について、講義全体を通してふりかえる。 |
準備学習の内容・学ぶ上での注意 |
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大学のnfu. jpを使用して、 レジュメや資料の配布、出席確認、中間レポートの受付などを行います。出席確認の送信期間は、授業後、2週間を基本にします。出席確認では授業理解の自己評価、質問や感想を送っていただきます。これは授業外での復習の意味も兼ねていますので、単に授業にだけ出席して出席確認を送信しなかった場合には、単位の実質化の観点から出席とは認められませんので、注意してください。 また授業の感想を述べる際は、授業の中身と関わらせて書くようにしてください。「むずかしかった」「おもしろかった」などの一言感想は、授業出席とはみなしません。 授業出席回数が3分の2に満たない場合、評価を受ける権利を失うことは、原則通りです。 最後に出席確認の送信ができるのは、授業に出席した本人だけです。出席していないにもかかわらず、意図的に出席確認を送信した場合は、平常点を0点とします。 授業では社会福祉の現状をどう捉えるのかという内容が多く出るので、日ごろからテレビや新聞などで社会や政治の動き、社会福祉や国民生活に関するニュースに意識的に接して、考えるような生活習慣をつくること。 |
本科目の関連科目 |
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「社会福祉発達史」で歴史的視点がなぜ必要か、資本主義社会と社会福祉の関係、社会福祉の発展とはどういうものか等、考えておくことが、社会福祉を政策的に捉える場合にも重要である。 |
成績評価の方法 |
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復習の意味も含む出席確認の送信で、平常の授業参加・学習態度を評価する。また授業の内容に即した中間レポートの提出を必須とする。中間レポートについては授業のなかでアナウンスする。あわせて期末試験の結果を勘案して、成績評価を行う。それぞれの評価割合は別記の通り。 |
テキスト |
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□テキストを使用する ■レジュメを使用する ■未定 (最初の授業で指示する) |
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