社会福祉論

科目名	社会福祉論

単位数	学年配当	開講期間	担　当　教　員
2	1	前期開講	小坂　啓史

テーマ

本科目のテーマは、福祉の意味、社会の福祉化とシステム、制度と臨床的接近の理解、福祉社会のあり方の考察である。

科目のねらい

＜キーワード＞
福祉の意味　　社会的排除
福祉化　　社会福祉システム
福祉社会

＜内容の要約＞
本講義は、まず「福祉」とは何かということについて、学生各自が考えていくことをまず第一のねらいとする。そこから第二に、社会福祉のあり方が背景としての人口構造や社会経済的な動向、人びとのライフスタイルや人間関係の変化、さらには、家族の構造変動や関係の変容に連動していることを学んでいけるようにしていく。これらを踏まえた上で、第三に社会福祉の理念、制度・政策、援助実践の方法の基礎についてしっかりと学んでいけるようにする。

＜学習目標＞
・人びとの福祉、社会の福祉について考え続けていけるための、多様な観点と柔軟な思考が身につけることができる。
・社会福祉の理念と諸概念について理解することができる。
・制度の変化について把握した上で、現代社会における対策としてどのような福祉サービスが求められているのか、などについて考える力を身につけることができる。
・さらにこれらを通じ、人と人とが支えあう福祉社会・共生社会の姿について、市民の一人として構想していける力を身につけることができる。

授業のながれ

第１回：社会福祉とは‐社会福祉の概念・理念、社会の捉え方と目的・実体としての福祉
第２回：社会福祉の領域‐社会問題と社会福祉、社会福祉がカバーする領域、社会保障との関連
第３回：英国の社会福祉概史（１）エリザベス救貧法から新救貧法成立へ
第４回：英国の社会福祉概史（２）ブースやロウントリーらの貧困調査の内容とその歴史的意義
第５回：英国の社会福祉概史（３）ベヴァリッジ報告から現代の政策まで、本格的な福祉国家化
第６回：日本の社会福祉概史（１）恤救規則から始まる制度と、第二次大戦までの日本の状況
第７回：日本の社会福祉概史（２）第二次大戦後から「福祉六法」の成立まで、日本の福祉国家化
第８回：日本の社会福祉概史（３）1970年代以降から現代の福祉政策の変容、ＮＰＭ政策との関連
第９回：社会福祉システムと法‐社会福祉関係法の分類と主な内容、成立背景としての社会状況
第１０回：社会福祉の対象と分野（１）高齢者福祉の制度的内容、介護保険制度の特色と問題点
第１１回：社会福祉の対象と分野（２）障害者福祉の制度的内容、障害者自立支援法等の問題点
第１２回：社会福祉の対象と分野（３）児童福祉・子育て支援の制度的内容、少子化、児童虐待
第１３回：社会福祉の対象と分野（４）公的扶助の制度的内容、社会的排除、アンダークラス問題
第１４回：社会福祉実践の方法・概説（１）基礎的内容、自己覚知から対人援助の基礎的方法まで
第１５回：社会福祉実践の方法・概説（２）基礎的方法について（疑似体験学習を中心に）

準備学習の内容・学ぶ上での注意

社会福祉は生活のセーフティ・ネットとしてだけではなく、われわれの日常のふるまいや社会意識にも関連している。つまり、生活者一人ひとりが福祉の担い手でもあるといえる。そうした身近な問題として講義内容を捉えていってほしい。私語は慎むこと。

本科目の関連科目

成績評価の方法

課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
その他

20％
0％
0％
70％
10％

定期試験期間に試験を行う。試験内容は、社会福祉の理念や概念、制度・サービスについてどの程度理解したかが問われる内容となる。これに授業態度等を加味することとする。授業態度に関しては、授業中に課す予定の小レポートの内容評価が含まれる。

テキスト

□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定（最初の授業で指示する）

＜著者＞参考書・参考資料１　：古川孝順他編　＜テキスト名＞『社会福祉発達史キーワード』　＜出版社＞有斐閣，2009年
＜著者＞参考書・参考資料２　：金子光一著　＜テキスト名＞『社会福祉のあゆみ』　＜出版社＞有斐閣，2005年