科目名 厚生経済学

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 3 前期開講 丸山 優

テーマ
社会的厚生/福祉(ソーシャル・ウェルフェア)の向上とは何か

科目のねらい
<キーワード>
厚生/福祉  社会的人間関係としての市場・非市場
市場の失敗  政府の失敗、効率と公平
自由と平等、民主主義と正義

<内容の要約>
宗教的、政治的等の権威によって善悪・正邪の判断が押し付けられない私たちの社会で、経済のある状態が(ある政策によって)別の状態に変わることが社会的に望ましいか否かの判断は、どんな基準・手続きに基づきうるのか? この基準を社会全体の厚生/福祉(ソーシャル・ウェルフェア)の向上に置くときでも、手持ち資源だけでなく能力や健康や自然環境にも関わる厚生/福祉の大きさやその変化は、そもそもどう捉えられうるのか? そのような大問題に取り組む経済学、すなわち厚生経済学への初歩からの案内を行う。

<学習目標>
ミクロ経済学の全体を、より深く理解することができる。
社会的人間関係がすべて市場的交換関係にはなりえない以上、市場経済には「市場の失敗」が、政府介入には「政府の失敗」が、常に付きまとうことを理解することができる。
市場メカニズムは最も効率的な資源配分法であるが、所得分配上の公平を保証しないことを理解し、
社会的公平、自由と平等、民主主義と正義をめぐる基本的な議論を、経済学の問題として展開することができる。

授業のながれ
1.個人・社会にとって「良い生活」とは
2.厚生経済学は何を問題とするか
3.社会的人間関係:市場と非市場
4.福祉国家の諸類型:市場経済との関わり
5.効率性:厚生経済学の第一基本定理
6.公平性と厚生経済学の第二基本定理
7.市場の失敗1 外部性
8.市場の失敗2 公共財
9.市場の失敗3 費用逓減産業
10.市場の失敗4 情報の非対称性
11.公共選択学派と政府の失敗
12.正義論1 J.ロールズの自由主義
13.正義論2 リバタリア二ズム
14.正義論3 コミュニタリアニズム
15.正義論4 A.センの自由主義
定期試験

準備学習の内容・学ぶ上での注意
@ミクロ経済学の教科書が手許にあれば、レジュメとの照応関係を常に確認するように。
A公務員試験(ミクロ経済学分野)に頻出する項目が多いので、特に公務員試験受験希望者には本科目の登録を勧めたい。
B(Aとの関連で)正誤問題や簡単な計算問題の解き方も講義に盛り込まれる。一度の説明で十分になるように、復習に努めてほしい。

本科目の関連科目
経済学、ミクロ経済学、財政学、社会政策

成績評価の方法
課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
そ の 他
0%
40%
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60%
0%
レポートは各設問に対する解答をレポートとして提出する。
定期試験は全問選択式の定期試験を行う。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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