地域社会学

科目名	地域社会学

単位数	学年配当	開講期間	担　当　教　員
2	1	後期開講	斉藤　雅茂

テーマ

福祉問題の地域要因を考える

科目のねらい

＜キーワード＞
地域社会　　都市化と過疎化
地域診断　　地域要因

＜内容の要約＞
地方分権や地域主権といった議論のなかで、国家よりも身近な地域社会のあり方への関心が益々高まっています。その一方で、日本は2010年から人口減少社会に突入して、一部では「限界集落」と呼ばれる村落維持の困難な地域も出てきており、地域社会といっても一様ではありません。本科目では、国内外に数多くの蓄積がある地域社会学における主要な論議・知見を概観し、保健・医療・福祉に関するニーズが個人要因だけでなく、地域社会の要因によっても形成されていることを考えていきます。また、後半では、地域的な解決にむけた方策として、今後ソーシャルワーカーのスキルとしても求められるであろう地域診断の意義と方法を学習します。

＜学習目標＞
社会学的な視点を踏まえて地域社会を認識することができるようになること
地域社会学の主要な概念を正しく理解し、地域に存在する諸問題を把握できるようになること
地域の課題解決にむけた地域診断の意義を理解し、自らの力で行えるようになること

授業のながれ

イントロダクション　なぜ地域が大切なのか？
基礎概念①　社会学における地域の定義；地域社会・コミュニティとは何か？
基礎概念②　イエ・ムラとアーバニズム
基礎概念③　流動型社会と地方都市の限界集落化
諸理論①　コミュニティ存続論・開放論；都市化は人々を孤立させるのか？
諸理論②　社会階層論；日本は平等な社会か？
諸理論③　社会移動論；貧困は個人の怠慢か？
今日的課題①　地域社会による排除・ラべリング
今日的課題②　地域社会の構成員の変化；高齢化とプロダクティブ・エイジング
今日的課題③　グローバリゼーションとローカリティ；エスニック・コミュニティ
今日的課題④　地方分権と市町村合併；小地域福祉活動への注目
地域診断①　地域診断の目的と意義
地域診断②　既存情報の収集と社会踏査
地域診断③　地域情報システム（ＧＩＳ）の活用事例
講義のまとめと振り返り

準備学習の内容・学ぶ上での注意

毎回の講義では、レジュメとともに各テーマに即した統計資料または論文等を配布し、内容を解説しながら進めていく予定です。できる限り、抽象的な話ではなく、具体的な問題や事例を扱いながら、地域社会学の諸理論や概念を紹介したいと思っています。幅広い観点から地域社会や地域福祉を考える場にしたいと思っていますので、皆さんも国家試験対策という狭い認識ではなく、身近な地域の問題や活動・実践に改めて関心を向けながら講義に参加するようにして下さい。

本科目の関連科目

「社会学」「家族社会学」「地域福祉論」「社会福祉調査論」「地域保健学」「地域開発論」「福祉ＮＰＯ論」「福祉計画論」

成績評価の方法

課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
その他

20％
0％
0％
80％
0％

地域社会学に関する主要な概念や論点について正しい理解が進んでいるかを定期試験で評価します。それに加えて、講義への出席状況や参加状況を考慮して総合的に評価します。

テキスト

□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定（最初の授業で指示する）