外国史

科目名	外国史

単位数	学年配当	開講期間	担　当　教　員
2	2	前期開講	高木　勇夫

テーマ

19世紀フランス社会史の主題を通して西洋史の問題意識と方法を学ぶ。

科目のねらい

＜キーワード＞
ロマン主義　　新聞連載小説
グラン・ブルヴァール　　19世紀パリの革命
経済上の自由主義

＜内容の要約＞
19世紀のヨーロッパはブルジョワ支配が貫徹していたとされるが、実際には有為転変の過渡期の特徴を示して、社会はつねに揺らいでいた。ひきさかれた時代精神をかろうじて現実につなぎとめていたのは、凡庸なのに好奇心は旺盛な、どこにでも（フランス語でパルトゥ）いる男の〈からだ〉である。男性優位の社会だが、男だけでは舞台が進行しない。行動力抜群の女の〈こころ〉が歴史を動かしていく。夢見がちなジェローム・パチュロ（その名はパルトゥの綴り替え）とその恋人で実務にたけたマルヴィナのたどる道筋には、政治・経済・社会・文化の諸相にわたる困難な局面がたちはだかっている。彼と彼女の活動の軌跡から、21世紀の日本を生きるためのヒントを得られるだろう。

＜学習目標＞
オリジナルな図解から社会的事実を概念化する方法を学ぶ。
生の史料を読解することによって歴史の記述法を学ぶ。
フランス史を軸としたユニヴァーサルな価値観を学ぶ。

授業のながれ

オリエンテーション（講義の趣旨と方法の説明）
歴史とは何か（史料論と時代区分論）
ヨーロッパ文明史の達成と限界（歴史主義）
近代人の教養（三つの古典）
ロマン主義の系譜（国民文化の型）
19世紀のベストセラー（ロマン・ファイユトン）
パリ・オデッセイ（近代のユートピア）
新聞王伝説（マスメディアの成立）
実学と虚学（非合法の最新医療）
産業界と社交界（フランス7月王政の特徴）
経済上の自由主義（歴史の中のバブル）
パリ演劇事情（グラン・ブルヴァールの芝居小屋）
社会開発の想像力（蒸気機関と保険会社）
万国博とオリンピック（産業博覧会からエッフェル塔へ）
全体のまとめ（成績評価）

準備学習の内容・学ぶ上での注意

予習の必要はないが、テキストと講義の内容をてらしあわせて、あくまで自分の問題として社会的事実を捉えなおしてほしい。そういう意味で、講義を聞いてからの復習が大事になる。

本科目の関連科目

「日本史」「社会学」「比較文化論」「人類学」「経済史」

成績評価の方法

課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
その他

30％
0％
0％
70％
0％

テストでは論述に40点、用語説明に30点、集中講義の形式にあわせた課題・小テストに30点を配当する。

テキスト

■テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定（最初の授業で指示する）

＜著者＞髙木勇夫　＜テキスト名＞19世紀パリ・オデッセイ―帽子屋パチュロとその時代　＜出版社＞叢文社