科目名 現代のアジア

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 1 前期開講 長瀬 誠

テーマ
世界第2位の経済大国中国および日本が軸となって発展してきたアジアの現状と、それを支える「東アジア共同体」、FTA(自由貿易協定)そしてTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)などの経済協力組織に関する分析・把握を通じて、現代のアジアにおける日本および私たちの課題を探る。

科目のねらい
<キーワード>
中国経済:世界第2位の経済規模を誇る中国経済の行方がアジア経済の今後の安定成長に影響する  日中経済:アジアでは日中経済関係が軸となる。両国の貿易、投資の活発化が日中および世界経済を牽引する
FTA(自由貿易協定):規制緩和による貿易と投資の活発化が世界経済発展の牽引力となる  東アジア共同体:鳩山前首相が重視した東アジア共同体構築によって東アジア地域内の貿易、投資、援助を促進
TPP環太平洋戦略的経済連携協定:最近話題のTPPは、菅首相は積極的であるが影響に関する議論不十分

<内容の要約>
近年におけるアジア経済の発展は、日本及び中国を軸とした域内経済の緊密化、貿易と投資の活発化によって牽引されてきた。 今後一層の経済発展のためには、自由な経済活動を促す FTA 、TPPや東アジア共同体の構築、そして、 エネルギー・環境問題への共同での取り組み等が必要となろう。 本講義ではアジア各国(東アジア中心)と日本および中国の経済関係(貿易と投資と援助など)の把握を通じて、 現代のアジアの現状と課題の把握を目指す。

<学習目標>
本と中国を軸とした域内経済の緊密化が、 近年のアジア経済の発展を牽引してきたことを説明できる。
自由な経済活動を促す FTA 、TPP、東アジア共同体の必要性や意義が説明できる。
アジア各国と日本、 中国との経済関係の把握を通じて、 現代のアジアの現状と課題の把握ができる。

授業のながれ
講義の狙い= 「現代」 及び 「アジア」 論の視座:「現代」及び「アジア」を定義する。菅政権が重視するTPP路線の特徴を把握する。
急速に緊密化するアジア経済:かつて対欧米輸出で発展したアジア諸国が、今日では東アジア域内の貿易・投資の活発化によって発展している。
アジア経済の発展を牽引する中国経済:リーマンショック以降、世界経済は不振が続いているが、中国経済は影響が少なく世界を牽引している。
日中経済関係の現状と課題:日本と欧米の経済関係が停滞する中で、中国の内需目当てで対中進出する日本企業が急増している。
香港、 マカオ、 台湾経済と大陸経済:改革開放以降、香港、マカオ、台湾は対外開放の窓口となった。特に台湾IT企業の貢献は大きい。
アセアン経済の現状と日本及び中国との関係:FTA交渉で先頭を走るのはアセアンであり、日中韓は国内産業保護の立場から対応が遅延。
韓国経済の現状と日本及び中国との関係:韓国経済は一時の不況から脱し、サムソンやLGなど世界的企業が急速に伸張している。
北朝鮮経済の現状と課題:核、拉致、ミサイル問題で国際的に孤立し、経済支援は一部に留まっているため、食糧・経済危機に直面。
インドシナ経済の現状と中国との関係:ベトナム、ラオス、カンボジアはアセアンに加盟し経済発展。特にベトナムは「中国の次」と期待されている。
ロシア・中央アジア、 モンゴルと中国経済:ロシア、中央アジアにおいても中国の影響力が拡大。特にエネルギー関係の国際協力に注目。
インド・南アジア経済の現状と課題:BRICSの中でも、インド経済の急速な発展が目立つ。特にITソフト製造業、自動車産業などの成長は急。
アジア環境協力の現状と課題:アジア経済の持続的成長のためには、同時に環境保全のための国際協力を推進がすることが不可欠。
アジアエネルギー協力の現状と課題:アジア経済の持続的成長のためには、同時にエネルギー確保・節約使用のための国際協力が不可欠。
FTA、 東アジア共同体構築の必要性:東アジアが一層発展するためには、自由貿易・投資を推進するためのFTA、TPP、共同体構築が必要。
まとめ:アジア経済の現状と東アジア共同体の現状を整理する。以上を通じて現代のアジアにおける日本および私たちの課題を明確化する。

準備学習の内容・学ぶ上での注意
@新聞や雑誌等を読み、 アジア経済の動向に関して情報を整理の上で講義に出席してほしい。
A講義後は、授業で紹介した情報に関連する本・WEB資料、論文を、書店、図書館、ネット等で探して読み、 感想や意見をまとめてほしい。
B授業では感想、意見を文章としてまとめるトレーニングをしてほしい。企業や公務員では毎日のように要求される企画力を大いに伸ばそう。

本科目の関連科目
「アジア経済論」

成績評価の方法
課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
そ の 他
50%
0%
0%
50%
0%
筆記試験 (50%は考える力を評価します)
講義の中で提出を指示する課題・小テストは、授業での理解度を評価します。(5%×10回、出席チェックを兼ね、ほぼ毎回実施)
就職活動、その他のやむを得ない事情で欠席する場合は、以上とは別にレポート課題の提出を指示します。詳しくは授業の際に指示します。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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