科目名 | 西洋経済史 |
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単 位 数 | 学年配当 | 開講期間 | 担 当 教 員 |
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4 | 2 | 前期開講 | 丸山 優 |
テーマ |
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大量生産体制の成立・発展・衰退の歴史 |
科目のねらい |
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<キーワード> 大量生産体制(フォーディズム) 世界大不況 ニューディール ケインズ主義的福祉国家 トヨティズム(リーン生産方式) <内容の要約> イギリス産業革命から大量生産体制が始まるのではない。19世紀の工業界では、それと原理的に対立する生産体制が支配的であった。大量生産体制は20世紀初めに、大衆市場が存在するアメリカで、自動車製作の流れ作業(フォーディズム)によって、従業員の主力がいつでも互換できる大衆的労働者に変わり、その労働者が量産品の消費者大衆になって初めて成立した。それは世界史を塗り替える画期的な出来事であった。 1929年末に始まる世界大不況で、大量生産体制は大打撃を被る。自動車・電機のような新興産業はV字回復するが、在来産業や小売業などのサービス産業の回復はままならない。 「国民の生活が第一」とするニューディールの実験が始まるが、均衡のとれた経済発展は実現しない。奇しくもそれが実現するのは、アメリカが戦時動員体制に移行した時だ。 第二次世界大戦後、社会保障を充実したうえで、不況になればいつでもケインズ主義的景気対策を発動するケインズ主義的福祉国家が一般的に成立して、大量生産体制は永続するかに見えた。だが、管理通貨制度が崩れ、福祉国家が危機に瀕して、1970年代に大量生産体制を支える制度的な枠組みは崩壊する。 1980年代にトヨティズム(リーン生産方式)が登場し、自動車が再び世界を変える。「小さな政府」が称揚され、20世紀初めからの歩みが再開するように見えたが・・・。 <学習目標> @グローバルな視野・制度的な観点で20世紀の世界経済の流れをとらえることができる A大量生産体制との関連で、自動車産業の発展の節目を、登場人物のエピソードを交えて語ることができる B1930年代世界大不況をきっかけに誕生したマクロ経済学の諸概念(用語)を使って、概念形成の現場に立ち会う臨場感を味わいながら、大不況を分析することができる C1930年代世界大不況やニューディールなどの脱却の企てとの異同を意識しながら、現在の世界大不況の研究に着手することができる |
授業のながれ |
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1 経済史の視角――はじめに―― T 1930年代世界大不況と現在の世界大不況との比較 2 1930年代大不況 3 一時代を画した大量生産体制 4 2008年に始まる世界大不況 5 世界大不況後の世界の予兆 U 19世紀の工業界 イギリス産業革命 6 アメリカ産業革命 7 クラフト生産体制 8 南北戦争後のアメリカ経済 V 大量生産体制の成立 9 世界における自動車工業の誕生 10 アメリカにおける自動車産業 11 フォーディズム 12 フォード vs. GM 13 1920年代のアメリカにおける大衆消費社会の誕生 W 1930年代世界大不況 14 1929年ウォール街大暴落の原因 15 国債金融危機と世界大不況――金本位制の問題―― 16 デフレーションとリフレーション――ニューディールの金融・財政政策―― 17 農業を含む不況産業と不況地域の復興――ニューディールの産業政策―― 18 社会的弱者救済と「拮抗権力」――ニューディールの労働政策・社会政策―― 19 ドイツ、イギリスとスウェーデンにおける大不況対策 20 フランスとイタリアにおける大不況対策 X 大量生産体制の新たな発展 21 戦時動員体制 22 福祉国家の一般的成立 23 管理通貨体制のもとでのケインズ主義 24 冷戦体制とパクス・アメリカーナ 25 ビッグ・スリー vs. 日本などの自動車産業 Y 大量生産体制の衰退と新たな経済発展パターン 26 パクス・アメリカーナの動揺と変動相場制への移行 27 インフレと不況の共存、福祉国家の危機――1970年代―― 28 トヨティズム(リーン生産方式)――1980年代―― 29 金融ビッグバンとバブル経済――1990年代・200年代―― 30 世界史の新たな1サイクルはどうなるか――まとめに代えて―― |
学ぶ上での注意・担当教員からの希望 |
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@板書する内容が説明の基本なので、配布するレジュメの保存だけでよしとせず、ノートを用意して、正確に書きとめてほしい。 A人物や出来事のエピソードは口頭でのみ説明されることが多いので、ノートにメモ(備忘録)を残してほしい。 |
本科目の関連科目 |
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成績評価の方法 |
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中間試験(授業中に実施)30% 定期試験 70% |
テキスト |
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□テキストを使用する ■レジュメを使用する □未定 (最初の授業で指示する) |
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