科目名 初等教育原理

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 2 後期開講 亀谷 和史

テーマ
「教育的な営み」と人間形成――子どもの発達と学校教育の課題

科目のねらい
<キーワード>
教育の本質  子どもの権利
教育を受ける権利  学力
競争原理

<内容の要約>
この講義は、初等教育の教員を目指すものが、教員の資質として、また教職教養として身につけておかなければならない教育の理念、歴史・思想の基礎を幅広い視野から学ぶ。とくに人間形成・発達の視点から、あらためて教育を広く「教育的な営み」と捉え返しつつ、教育の本質とは何かを考えていく。「教育的な営み」は、人類史的な視座からみると古代以前より始まったといえよう。それは、生物学的には、遺伝的生得的な行動様式をまぬがれた存在として、先行する世代から広義の「文化遺産」を受け継いでいく営みであり、また子どもの発達からみれば、「社会化(社会適応)」と「個性化(主体形成)」の統一的なプロセスである。近代以降、学校は、公教育制度として確立してきたが、子どもの保護と「教育を受ける権利」の保障が行われると同時に、学校が「生活」や「職業(生産)」の場から切り離され、学歴主義・競争主義など、新たな問題が生じている。現代の教育問題は、複合的で解決困難な課題ではあるが、教育の歴史や先人の教育思想等を学ぶと同時に、その解決の糸口を探っていきたい。

<学習目標>
@「教育的な営み」について人間形成や発達の視点から深める
A教育の理念やわが国及び外国の歴史・思想について学ぶ
B特に現代社会における子どもの発達・人間形成の問題状況、課題について学ぶ

授業のながれ
第1回:開講に当たって――これまで受けてきた教育を振り返って
第2回:人間の生物学的特質と「教育的な営み」
第3回:人間の社会的環境と「教育的営み」――教育の可能性
第4回:発達思想の展開と教育の本質
第5回:発達思想の展開と子どもの権利
第6回:近代の公教育思想の展開――西欧を中心に
第7回:産業社会と近代の公教育思想の展開――西欧を中心に
第8回:近代国家と公教育の歴史@――戦前の日本を中心に
第9回:近代国家と公教育の歴史A――戦後の教育改革
第10回:ポスト産業社会と学校教育の課題
第11回:教育課程と『学習指導要領』の歴史的展開
第12回:「学力」・「能力」とは――教育的評価とテストをめぐって
第13回:現代の教育改革@――教育問題の複合的要因
第14回:現代の教育改革A――教育再生に向けて
第15回:まとめ

学ぶ上での注意・担当教員からの希望
リレー講義(予定)で講義を行うことがあります。これまで受けてきた教育を振り返り、対象化していくと同時に、学校教育の基礎知識と現代の教育問題を現代社会との関連で深めていってほしい。自ら主体的に考えて学んでいってほしい。

本科目の関連科目
 

成績評価の方法
課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
そ の 他
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毎回の出席とミニ・レポートを加味し、最終回の筆記試験を行い、総合的に評価する。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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