科目名 哲学

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 1 後期開講 池谷 壽夫

テーマ
近代的人間観の再検討−子ども・女性・弱者の視点から

科目のねらい
<キーワード>
男性中心主義  大人中心主義
優生思想  所有的個人主義

<内容の要約>
今日ほど、 あらためて近代とそこで要請されていた人間観の問い直しが求められている時代はない。 子どもの問題、 教育の問題、 女性問題、 障害者の問題、 どの問題を取ってみても、 今一度根本から近代的人間観を問い直さざるをえなくなっている。 その中心にあるのは、 何よりも強者の論理と文化であった。 例えば、 それは、 近代的人間観における男性中心主義や、 大人中心主義 (その裏返しの子ども中心主義)、 そして弱者を切り捨てる優生思想などに見られる。 本講義では、 〈子ども−大人〉関係、 〈男性−女性〉関係、 〈強者−弱者〉関係に焦点を絞り、 また具体理論的課題を検討する。

<学習目標>
近代的人間観のはらむ問題の検討を通して、 今日もとめられる人間観を考える
・近代的人間観のはらんでいる問題が何かを理解する。
・今日の社会の中で求められる能力観や人間観をイメージし構想する。

授業のながれ
1. 本講義ながれの目的・授業構成、 内容等のガイダンス
2. 近代的人間観の特徴−人間とは誰か
3. 成人男性中心主義的人間観−近代社会とジェンダー (その 1)
4. 成人男性中心主義的人間観−近代社会とジェンダー (その 2)
5. 大人中心主義的人間観 (その 1)−近代における〈子ども〉の発見、 関係としての子ども、 制度としての子ども
6. 大人中心主義的人間観 (その 2)−発達モデルと子ども観、 制度としての子どもの終焉、〈子ども−大人〉関係の構想
7. 大人中心主義的人間観 (その 3)− 「子どもの権利宣言」 から 「子どもの権利条約」 へ
8. 近代的人間観と優生思想 (その 1)−優生学、 優生思想とは
9. 近代的人間観と優生思想 (その 2)−福祉国家と優生思想
10. 近代的人間観と所有的個人主義 (その 1)−自由主義と所有的個人主義
11. 近代的人間観と所有的個人主義 (その 2)−自由主義の問題点と課題
12. 国民・国民国家とナショナリズム (その 1)−人種差別主義と植民地主義、 国民国家の形成
13. 国民・国民国家とナショナリズム (その 2) −日本における国民国家 (単一民族神話) 形成と人種の同化政策
14. 新たな人間像の模索−弱くあることと自由・平等・公共性
15. まとめ

学ぶ上での注意・担当教員からの希望
・授業時にレジュメ、 資料等を配布するので、 授業前や後に読んでおくこと。 ・さまざまなジャンルの参考文献を授業時に挙げるので、 できるだけ関心を持って買ったり見たりすること。 ・授業は学生と教員で作るものなので、 質問や意見があればその場で大いに出すこと。

本科目の関連科目
 

成績評価の方法
課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
そ の 他
20%
80%
0%
0%
0%
 

テキスト
■テキストを使用する
□レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
<著者>池谷壽夫 <テキスト名>「〈教育〉からの離脱 (2000)」 <出版社>青木書店



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