科目名 社会福祉原論

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
4 3 通年開講 伊藤 文人

テーマ
ソーシャルワーカーにとっての「社会福祉の原理(構造と論点)」を学ぶ

科目のねらい
<キーワード>
 

<内容の要約>
本講義は、社会福祉という領域(政策・制度/サービス/実践の総体)が私たちの生きて「社会」総体との関係でどのように位置付けられるのかを、受講生が理論的に把握できるために設定されます。社会福祉といわれる領域をホリスティックに理解するためには、そうした総体の歴史的、原理的把握を通じて理解する必要があります。つまり、本講義は、「社会福祉がなぜわれわれの生きる社会に必要とされる」のか、「社会福祉が存立する意義や根拠はなにか」を理解するために設定されます。本講義は、以上の問題意識から、よりよい社会福祉実践を構築していくために受講生に求められる知的基盤(理論学習の視点)をいくつか提示します。本講義は、社会福祉の各個別領域(高齢者福祉論、児童福祉論、障害者福祉論など)で学んだ具体的な知見を「統合する」役割を果たすものです。社会福祉の現場では、ソーシャルワーカーは制度や政策の動向や性格を批判的に分析(統合)しながら実践を切り拓くことが求められており、そうした実践者に要請される抽象的な思考方法(「社会的文脈のなかで理解されるべき社会福祉」)の基礎を講じます。

<学習目標>
社会福祉や福祉国家の歴史的成立過程と現代社会との関係を整理し,社会福祉と社会理論との関係を理解する
福祉国家における社会福祉政策の根底にあるイデオロギー(価値観)を理解する
社会福祉政策の社会的機能を理解する
社会福祉を理解する上での、必要(ニーズ)、人権、正義、民主主義、平和、自由、平等、友愛、多様性、義務、責任、贈与、交換、市場、共通善、公共性などの重要な、基本的概念を理解する

授業のながれ
オリエンテーション:「社会福祉原論」という講義について
オリエンテーション:「社会福祉原論」という講義について(その2)
社会保障/社会福祉の概念について
社会保障/社会福祉の概念について(その2)
福祉の歴史的展開過程@:伝統社会から近代社会の福祉へ
福祉の歴史的展開過程@:伝統社会から近代社会の福祉へ(その2)
福祉の歴史的展開過程A:現代社会の福祉(現代福祉国家の展開と論点)
福祉の歴史的展開過程A:現代社会の福祉(現代福祉国家の展開と論点)(その2)
資本主義と貧困@:資本主義と貧困発生のメカニズム
資本主義と貧困@:資本主義と貧困発生のメカニズム(その2)
資本主義と貧困A:貧困認識方法とその争点(絶対的貧困、相対的貧困、社会的排除、グローバリゼーション、スティグマ、ワーキングプアー、アンダークラス)
資本主義と貧困A:貧困認識方法とその争点(絶対的貧困、相対的貧困、社会的排除、グローバリゼーション、スティグマ、ワーキングプアー、アンダークラス)(その2)
社会福祉と価値@:人権、市民権と社会福祉(多文化社会と福祉政治)
社会福祉と価値@:人権、市民権と社会福祉(多文化社会と福祉政治)(その2)
社会福祉と価値A:反集合主義/福祉集合主義と社会福祉
社会福祉と価値A:反集合主義/福祉集合主義と社会福祉(その2)
社会福祉と価値B:社会主義/フェミニズムと社会福祉
社会福祉と価値B:社会主義/フェミニズムと社会福祉(その2)
社会福祉と価値C:環境主義と社会福祉および福祉の視座(まとめ)
社会福祉と価値C:環境主義と社会福祉および福祉の視座(まとめ)(その2)
福祉政策の論点@:必要と需要、普遍性と選別性、資源配分?分配とデリバリー
福祉政策の論点@:必要と需要、普遍性と選別性、資源配分?分配とデリバリー(その2)
福祉政策の論点A:ソーシャルワークと自立?自律/依存、参加、エンパワメント、マネジメント、感情労働
福祉政策の論点A:ソーシャルワークと自立?自律/依存、参加、エンパワメント、マネジメント、感情労働(その2)
福祉政策の論点B:日本における社会福祉政策の展開と争点(1)
福祉政策の論点B:日本における社会福祉政策の展開と争点(1)(その2)
福祉政策の論点C:日本における社会福祉政策の展開と争点(2)
福祉政策の論点C:日本における社会福祉政策の展開と争点(2)(その2)
まとめ:批判的に読む、考えることはひとつの実践的行為である
まとめ:批判的に読む、考えることはひとつの実践的行為である(その2)

学ぶ上での注意・担当教員からの希望
1.講義はレジュメを使って展開されます。配布する際に学生の協力を求めます(迅速に)。2.2年生のときに「社会福祉発達史」を受講していない人は、必ず受講してください。本講義の前提になります(編転入生も同じ)。モノゴトの歴史を知らないと理論的な理解ができません。歴史と理論は対になって理解するものなのです。3.社会学や政治学的な抽象的思考力も求められます。演習課題を真面目にやると講義内容を復習することと同時に、多くの疑問や視点にも気づきます。演習課題をやるうえでの関連文献も提示しますので、個人あるいはグループ毎にチャレンジしてください(評価対象)。4.新聞やTV、雑誌などで現代社会はどのような原理で運営されているか、そこでの福祉問題にはなにがあるのかを把握する努力をしてください。5.夜間講義で眠くなったり、おなかがすいたりすると思いますが、授業中は、食事はしないでください(飲料は可)。6.分からないところや理解できないことがあったら、積極的に質問をしてください。メールでも受け付けます。グループ学習の機会を最大限利用してください。他者の意見との異同に気がつくことから新しく学ぶことはたくさん出てくることでしょう。7. 頭の中に点在していた知識が線となって結びつけられたとき、初めて「理解した」ということが実感できると思います。一度これに気がつくと物事の関係が芋づる式にわかるようになってきます。あせらず、じっくりと講義を聴き、演習課題に取り組んでみてください。

本科目の関連科目
社会学、政治学、歴史学、心理学、法学、憲法学、倫理学、経済学、ジェンダー論、平和学、社会福祉方法原論、社会福祉発達史、社会保障論、公的扶助論、社会福祉関係法、医療福祉論

成績評価の方法
課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
そ の 他
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演習課題に対するグループ学習のプレゼンテーション内容(出欠カウント含む)。記述式テスト。

テキスト
□テキストを使用する
□レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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