日本福祉大学 経済学部

生涯教育計画
〈社会教育主事任用資格課程〉

単位数 学年配当 開講形態 教員名
4
3
通年
牧 野   篤

テ | マ  社会変動と青年の進路選択

科目のねらい
<内容の要約>
【キーワード】 ニート 不適応 フリーター 社会変動 青年の進路選択
 日本社会の急激な変動は、 新たな青年の存在形態を生み出している。 その一つが、 ニートであり、 フリーターと呼ばれる人々の存在である。 それは、 一面で、 学校から就職へという従来の就業のルートが機能不全を起こしているということを意味しつつ、 他方で、 彼らの存在そのものが就業を個人の問題ではなく、 社会構造の問題としてとらえる必要を指摘していることを示している。 また、 ニート、 フリーターは日本だけの問題ではなく、 イギリスなど先進国や、 中国などの途上国にも存在していることによって、 世界的な青年の進路問題でもある。 本講義では、 ニート、 フリーターをキーワードに、 現代社会の変動をとらえようと試みる。
<学習目標

*現代社会の急激な変動がもたらした青年の存在のあり方の変容を理解できる。
*自分の存在とニート、 フリーターなどの新たな存在をと重ねつつ、 共感を持って、 彼らの存在を感じ取ることができる。
*青年の進路選択の困難をもたらした原因を、 自分なりに考えることができる。
*自分の人生のあるべき形を思い描くことができる。

授業のながれ
(前期)
1. オリエンテーション (講義全体の概要説明)
2. 社会変動の背景 1:少子高齢化の進展
3. 社会変動の背景 2:グローバリゼーションと経済構造の変容
4. 社会変動の実態 1:地域コミュニティの解体
5. 社会変動の実態 2:働く人々の状況
6. 社会変動の実態 3:人間関係の切断と生活の変容 (コンビニ家族へ)
7. ニート、 フリーターという存在
8. ニート、 フリーターを生み出す社会
9. ニート、 フリーターをどう見るか
10. ひきこもりという生き方
11. パラサイトシングルという生き方
12. ニート、 フリーターを生み出す背景
13. 「自立」 できない社会構造
14. 「一人前」 の解体
15. 前半まとめ (課題レポート)

(後期)
1. 不適応について 1:不登校のメカニズム
2. 不適応について 2:共依存という関係
3. 不適応について 3:解離という存在
4. 関係性としての自分 1:自分という存在と自分を見ている自分
5. 関係性としての自分 2:自分を見ている他者を見ている自分
6. 遊びの堕落と病気:遊びを遊べない社会、 病気を病めない社会
7. 〈ことば〉とコトバ:自分のコトバは他人のコトバ
8. 自分の根拠の揺らぎと新しい自我へ:〈データベース型自我〉とオタク
9. ニート、 フリーターと社会的な新たな存在
10. ニート、 フリーターの可能性 1:「希望のニート」
11. ニート、 フリーターの可能性 2:精神性の高さ?
12. ニート、 フリーターの可能性 3:新しい文化主体へ
13. 新しいキャリアイメージへ 1:キャリアとは
14. 新しいキャリアイメージへ 2:カネから時間へ、
15. 全体のまとめ

学ぶ上での注意・担当教員からの希望
*大学の授業なので、 自覚を持って出席して欲しい。 とくに私語は、 他の人の学習の障害になるので禁止。
*できれば、 周辺の参考書や関係の文献にもあたって、 自分なりの考えをもって授業に臨んで欲しい。
<本科目の関連科目
 生涯教育論

成績評価の方法
課題・小テスト
レポート
中間試験
定期試験
そ の 他
30%
50%


20%
*基本的には授業後のレポートによって評価する。
*途中、 小さな課題レポートの提出を求める場合がある。
*出席状況と態度も加味する。

テキスト テキストを使用する
レジュメを使用する
未定 (最初の授業で指示する)
牧野 篤 『〈わたし〉の再構築と社会・生涯教育』 大学教育出版



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