| 総合政策学 （保） |
| 単位数 | 学年配当 | 開講形態 | 教員名 |
|---|---|---|---|
| 4 | 3 | 通年 | 長 沼 建一郎 |
| テ｜マ | 政策の立案・決定・執行プロセスの仕組みと問題点を理解する |
| 講義のねらい |
| 本講義では、
およそ政策というものが、
どのような領域において、
どのように立案・決定され、
執行されるのかについて、
その理論的枠組みおよび基礎的な概念について、
一通り説明することを目的とする。 総合政策学と題されているが、 これを聴講すればすべての政策について分かるようになる、 という夢のような科目であるはずがない。 むしろ逆かもしれない。 ただ、 福祉政策をはじめ、 あらゆる政策領域に共通する 「ものの見方・考え方」 を提供できればと思う。 （さらにいえば狭義の政策だけではなく、 あらゆる組織や集団における意思決定や、 「人生」 における選択にも共通する部分が少なからずあろう。） 政策科学へのアプローチは、 多様な学問分野により、 学際的に行われている。 したがって本講義においても、 関連する社会科学の方法論 （政治学、 法律学、 経済学、 ゲーム理論等） をある程度用いることになろう。 ただし予備知識は前提としない。 下記内容項目には、 耳慣れないコトバが多いかもしれないが、 見た目ほど難解ではない （と思う）。 |
| 講義のながれ |
| 前期 1. 序説・社会的決定理論 （①中位投票者理論、 ②ホテリング・モデル、 ③共通知、 ④投票のパラドックス、 ⑤レファレンダム、 ⑥多数決の意義と限界） 2. 総合政策とは何か （①政策サイクル、 ②市場の失敗、 ③公共政策の必要性、 ④ゲーム論分析） 3. 政策の策定・政策プロセス （①アジェンダ・セッティング、 ②ゴミ缶モデル、 ③政策の窓） 4. 政策の決定 （①最適化モデル、 ②限定合理性、 ③増分主義、 ④パレート基準、 ⑤カルドア＝ヒックス基準） 5. 政策の執行 （①政府の失敗、 ②ストリートレベル官僚制、 ③政策手段、 ④サンクション） 6. 政策の評価 （①事前評価、 ②費用便益分析、 ③リスク評価、 ④事後評価） 7. 政策と政治・経済 （政策の環境） （①イデオロギー、 ②準市場、 ③政治経済体制） 8. 政策と民主主義 （①民主的政治過程の役割と限界、 ②政治哲学的基礎づけ） その他 （※内容、 順序等は適宜変更することがある。） 後期 * 後期には、 理論枠組みにかかる個別トピックスを検討するとともに、 前期の理論枠組みを前提として、 具体的な政策領域への適用事例を扱う。 * 可能であれば、 ゲストスピーチの機会も設けたい。 具体的な内容は、 日程等との関係で適宜決定・告知する。 （昨年度は、 中央官庁や自治体の政策担当者などに来ていただいた。 今年度もなるべく日程を調整して実施したい。） * なお 2002 年度には、 具体的な政策領域への適用事例として、 「生活保護政策」 「障害者雇用政策」 「福祉国家論」 「地方自治論」 「地方自治実務」 「社会保障政策」 「平和 （軍事） 政策」 などを扱った。 |
| 学ぶ上での注意・担当教員からの希望 |
| 説明内容の表面だけにとらわれず、
基本的な考え方を理解することが重要である。 決められたテキストに沿って進めるわけではないので、 毎回講義に出席し、 真剣に取り組まないと、 講義内容を理解するのは難しいと思う。 また他の科目との関係がやや薄いので、 一定の自習 （予習・復習） を行うことも必要であろう。 |
| 成績評価の方法 |
| 受講人数にもよるが、
確認テストとレポート提出を基本とする予定。 2002 年度は、 これに平常点 （とくにゲストスピーチに際しての授業への積極的な参画） を勘案した。 |
| テキスト | 参考文献等を適宜指定する。 なお教科書ではないが、 講義で扱う内容についてのイメージをつかめるように、 下記の文献を挙げておく。 一年間の講義では、 これらの文献の内容をシャッフルして扱うような形になると思う。 宮川公男 『政策科学の基礎』 （第 2 版） 東洋経済新報社、 2002 年 足立幸男 『公共政策学入門』 有斐閣、 1994 年 スピッカー 『社会政策講義』 有斐閣、 2001 年 森田朗 『現代の行政』 （改訂版） 放送大学教育振興会、 2000 年 |
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