日本福祉大学 経済学部

民  法

単位数 学年配当 開講形態 教員名
4 2 通年 岩 田 公 雄

テ|マ 民法という窓を通して現代社会について考える

講義のねらい
 民法は、 市民と市民の間の財産関係や取引関係、 結婚・離婚などの身分関係を規律する法律ですが、 同時に、 その多くの規定は企業と市民、 企業と企業の間にも適用されるため、 商法等とともに、 企業の経済活動にとっての法律的な基礎をなしています。 また、 労働法・社会保障法、 経済法、 消費者法など、 現在ある様々な法律の多くは、 民法を中核とする 「市民法」 の限界や問題点を是正するために形成され、 発展してきており、 これらの法律を理解するうえでも、 民法の学習は不可欠です。
 この講義では、 できるかぎり具体的で身近な社会現象を取り上げながら、 民法の基本的な原理、 仕組みを知るとともに、 民法という窓を通して現代社会を見ていきたいと思います。

講義のながれ
一 民法とは?
 民法の成り立ち、 民法の指導原理
二 総則…消費者被害事例を通して総則を学ぶ
1 悪質商法の事例紹介
 ねずみ講、 マルチ商法、 現物まがい商法、
 霊感商法、 訪問販売、 etc.
2 民法総則の諸規定と消費者被害
 (1) 未成年者の契約
 (2) 成年後見制度
 (3) 錯誤、 詐欺、 強迫と無効、 取消
 (4) 公序良俗違反 他
三 契約…消費者被害事例を通して契約を学ぶ
1 現代的な消費者被害事例の紹介
 サービス取引 (英会話、 エステ)、
 証券取引、 先物取引、 変額保険、 etc.
2 契約に関する諸規定と消費者救済
 (1) 契約の成立、 履行、 解除
 (2) クレジット契約の法律関係
3 消費者契約法
四 不法行為…公害裁判例を通して不法行為を学ぶ
1 公害裁判の事例紹介
 熊本水俣病、 四日市ぜんそく、
 大阪国際空港訴訟、 etc.
2 不法行為の規定と被害者救済
 (1) 不法行為の成立要件
 (2) 過失責任主義と無過失責任主義
 (3) 差し止め請求権

学ぶ上での注意・担当教員からの希望
 法律用語、 法律学に特有の概念などは、 日頃から、 耳で聞くなり、 眼で読むなりして、 ある程度慣れておかないと、 試験前に慌てて勉強しようとしても理解することは困難です。
 できるだけ授業には出席し、 参考文献も活用して復習をするようにして下さい。

成績評価の方法
@ 夏休み課題レポート 30 点
A 期末試験 70 点

テキスト 平井宜雄 (編) 『ポケット六法 平成 15 年版』 有斐閣



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