「道徳教育の基本問題」 というテーマについて学校、 人間、 社会という 3 つのフィルターにかけて考え、 道徳教育の現状・歴史・展望についての基本認識の獲得をめざしたい。 特に今回の講義では、 次のような 「問い」、 すなわち、 人は自己の価値観や信念体系をどのようにして形成し獲得して大人になっていくのか、 自己の生き方や規範意識をなにをたよりに身につけてゆくのか、 また、 国家や社会や学校はそれにどう関与するのか、 さらに、 宗教はそれにどう関わってきたのか、 その原則や歴史はどうなっているのか、 といった 「問い」 を念頭に、 「テキスト」 に新聞記者が取材して書いた 『宗教をどう教えるか』 (朝日選書) を使い、 この目次の柱に沿って考えていく。 そもそもこのような問題は、 教育学の原理的な問題の 1 つでもあるが、 歴史的・思想的・政治的にも重要なテーマでもあり、 かつ最近の少年事件の背景、 教育基本法 「見直し」 「改正」 問題、 「神の国発言」 に至るまでホットな現代的課題性をもっている点を考慮されたい。 国や宗教による違い、 子どもの年齢と内面形成、 親と学校の役割、 子どもの権利条約などを視野に入れて検討していきたい。 |
1. 現場から (合掌の是非、 公立学校・私立学校では) 2. 道徳教育の周辺 (歴史、 社会科と倫理科、 畏敬の念) 3. 教師の困惑 (カルト、 安全教育の模索) 4. ヨーロッパの場合 (ドイツ・フランス・ロシアの現状、 ライシテ) 5. 根源的教育を求めて (覚醒について、 教育基本法と 9 条、 「心の教育」) を柱に進める。 |
テキストとして菅原伸郎著 『宗教をどう教えるか』 (朝日選書、 1999 年、 1300 円) を使うので受講者は用意すること。 |
重要なキーワードのいくつかを提示し、 それらについての基本的理解とともに各受講者の考察の深度を評価する。 |
テキスト | 菅原伸郎著 『宗教をどう教えるか』 朝日選書、 1999 年 |
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