日本福祉大学　社会福祉学部

保育方法論Ⅱ

単位数	学年配当	開講形態	教員名
2	3	後期	勅　使　千　鶴

テ｜マ

保育実践における指導－－－ひとりひとりを大切にし、仲間とともに育つ保育の指導

講義のねらい

　本講義は、「保育方法論Ｉ」の内容（ひとり一人の子どもの把握のしかたを学ぶ）を受けて、保育所や幼稚園の保育の方法（指導のしかた）について学びます。
　指導方法の基本的な視点を明らかにした後、諸活動領域に焦点をあて指導方法について考えます。
　ところで、いま、保育界では実践における「指導」をめぐり、混乱が起きています。そのひとつは、「子ども中心の保育」という名目で子どもが「放任」になっている実態があります。他のひとつは、「指導」の名のもとに指導とは本来関係のない「強制」や「教え込み」になっている実態も見られます。両方とも子どもにとってよい状態ではありません。こうしたことを念頭におき、講義のなかで、先人の保育実践を手がかりに指導のありかたを一緒に考えたいと思います。ビデオも使用して討論することも考えています。

講義のながれ

1 回　1. 保育の方法―指導のありかたを実践から学ぶ
　　　　1）保育方法とは何か―倉橋惣三に学ぶ
2 回　　2）子どもと保育者の役割―ひとり一人を大切にする指導
　　　　3）子どもの発達と指導との関係
3 回　　4）子どもと子どもとの関係を結ぶことを大切にする指導
4 回　2. 保育活動の領域に関わる指導
5 回　　1）生活技術・生活習慣の領域とその指導
6 回　　2）あそびとその指導
　　　　　　（1）あそびの本質
　　　　　　（2）あそびの種類とあそびの発展過程
7 回　　　（3）あそびの指導
　　　　　　・あそびの指導の今日的意味とその大切さ
8 回　　　　・あそびの内容に関わる指導―実践記録に学ぶ
　　　　　　（4）あそびの展開の場面での指導のいくつかのこと
9 回　　　　・あそびのなかでの話し合いの指導
　　　　　　・競争あそびの指導
10 回　　　　・あそびの指導の内容
　　　　　　あそびの技術の指導
11 回　　3）クラスの運営
　　　　　　（1）クラスの編成
　　　　　　（2）クラスの運営
12 回　3. 保育のなかでの行事の取り組み方
　　　　　　・行事の意義と取り組み方
13 回　4. 実践記録から学ぶこと

学習条件・履修上求められるもの

（1） 3 年次に保育所実習を履修する学生は、この科目を必ず履修のこと。
（2）本講義は、「保育方法論Ｉ」に続いた内容で行うので「Ｉ」を受講していることが望ましい。
（3）毎回、プリントや資料を配布するので、保存し、講義の時間に持参してください。
（4）保育所の手伝いや地域や親戚、知人の乳幼児との接触する機会を積極的に持たれることをすすめます。

成績評価

（1）期末の試験が基本です。
（2）それに、講義中に出すミニ・リポートを加味します。

テキスト

勅使千鶴『子どもの発達とあそびの指導』ひとなる書房、 1999 年