日本福祉大学　経済学部

年金・保険論Ｂ

単位数	学年配当	開講形態	教員名
4	3	通年	安宅川　佳　之

テ｜マ

グローバル市場経済化が進行する中、年金・保険制度改革の方向について論じる

講義のねらい

　少子高齢化社会の到来と、グローバル市場競争が激化、核家族化が進行する中、
（1）社会保障制度の改革
（2）企業の退職給付制度の改革
が待ったなしの状況にある。これらの改革は、いずれも家計ないし個人に自助努力で、老後所得保障を構築することを求めるものである。
　高齢者の経済生活を如何にファイナンスするか。
　社会保障制度改革の方向を明らかにするとともに、 401kを含む老後所得保障を自助努力で行う上で重要な投資の基礎理論についても論じる。

講義のながれ

　（1）高齢者の経済生活
1．年金保険制度の最近の問題点
2．ライフサイクルと貯蓄
3．高齢者の経済生活（成年後見制度）
4．介護の経済学（医療保険、介護保険、リバース・モーゲジ等）
5．高齢者税制と遺産
　（2）年金制度
6．年金の仕組み（年金数理の基礎理論）
7．日本の年金制度と公的年金
8．国際会計基準と企業年金
9．厚生年金基金制度
10．確定拠出年金と新企業年金法
11．日本版401kプラン
12．投資信託の仕組みとファンド評価
13．アメリカの年金制度
14．ヨーロッパの年金制度
15．ゲローバル市場化と年金制度
16．年金制度改革の方向
　（3）保険制度
17．保険の仕組み
18．保険数理の基礎理論
19．日本の保険制度（鳥瞰図と保険商品の種類）
20．生命保険会社の経営と資産運用
21．世界の保険制度
　（4）資産運用の基礎理論
22．年金・保険制度と資産運用
23．運用哲学とモダン・ポートフォリオセオリー
24．資産運用対象としての日本の金融市場
25．債券投資とリスク管理
26．株式投資とリスク管理
27．外国証券投資とリスク管理
28．ポートフォリオ運用とリスク管理

学習条件・履修上求められるもの

　資産運用に関する知識は、経済情報に強い興味を持つことによって蓄積される。年間4回の小論文作成を通じて、自助努力による知識の蓄積を促進する。
　事前学習のための「参考文献」としては、テキスト（平成11年版年金白書－21世紀の年金を「構築」する）のほか、平成13年版厚生労働白書（厚生労働省）、退職給付債務の実務（山口修、中央経済社）。その他は講義開始以降に示す。

成績評価

　小論文（年間4本）と期末論文によって評価する。

テキスト

使用する。厚生省年金局『平成11年版年金白書「21世紀の年金を構築する」』社会保険研究所
テキストのほかにレジメを適宜配布する。