単位数 | 学年配当 | 開講形態 | 教員名 |
4 | 2 | 前期 | 大 内 講 一 |
社会保障は一部の貧困者を対象とした救貧・防貧の制度から全国民を対象とした普遍的な制度へと発展したといわれている。 しかし、 十分なレベルに達しているとは考えがたい。 社会保障の国際的な定義はILOによってなされているが、 各国の制度の最大公約数的な定義であり、 これと同一の制度を整備している国はない。 最初に主要国の社会保障制度と運営機構を概観し、 社会保障とは何かを定義する。 そして、 制度と運営の仕組みについての国際比較の中でわが国の制度を考察する。 わが国では少子高齢化と経済の低迷により社会保障の大胆な改革が必要であるといわれているが、 国民負担率を50%に抑えるとした第2臨調路線から抜け出せず、 提示される改革試案はビジョンを欠いた財政の帳尻合わせに終始している。 効率重視を否定した英国の直近の動向を参考に、 国民負担率を批判的に再考し、 わが国社会保障制度の問題点と改革の方向性を探る。 |
・現代の社会保障〜五大巨人、 福祉社会と社会保障 ・社会保障の発展過程〜エリザベス救貧法、 ビスマルク社会保険、 ベバリッジ改革を中心に ・海外の社会保障〜国際機関、 イギリス、 フランス、 ドイツ、 スウェーデン、 アメリカ ・わが国の社会保障 ○社会保険 (医療保険、 年金保険、 労働者災害補償保険、 雇用保険、 介護保険) ○児童手当 ○老人保健 ○公的扶助と社会福祉 ○保健衛生 ○その他関連制度 ・社会保障改革 ○英国ブレア首相 「第3の道」 とわが国の思潮 ○国民負担率 ○医療制度改革、 年金改革、 社会福祉改革 |
社会保障の基礎知識の習得と併せて政策課題となっている医療保険改革についての検討も行うので、 関連記事を注意深く読むなど直近の動向に関心を払われたい。 |
自由選択テーマのレポートと論述試験により評価する。 制度の目的と機能、 枠組、 財源負担と給付の関係、 現状と課題等についての大局的理解度を重視する。 |
テキスト | とくに指定しないが、 一圓光彌 『社会保障論』 (誠信書房) をベースとする。 『社会保障年鑑』 (東洋経済新報社)、 『保険と年金の動向』 (厚生統計協会) などで直近の動向をフォローする。 |
(C) Copyright 2002 Nihon Fukushi University. all rights reserved. 本ホームページからの転載を禁じます。 |
|
 |