日本福祉大学 経済学部

民  法

単位数学年配当開講形態教員名
42通年近 藤 充 代

テ|マ民法という窓を通して現代社会について考える

講義のねらい
 民法は、 市民と市民の間の財産関係や取引関係、 結婚・離婚などの身分関係を規律する法律ですが、 同時に、 その多くの規定は企業と市民、 企業と企業の間にも適用されるため、 商法等とともに、 企業の経済活動にとっての法律的な基礎をなしています。 また、 労働法・社会保障法、 経済法、 消費者法など、 現在ある様々な法律の多くは、 民法を中核とする 「市民法」 の限界や問題点を是正するために形成され、 発展してきており、 これらの法律を理解するうえでも、 民法の学習は不可欠です。
 この講義では、 できるかぎり具体的で身近な社会現象を取り上げながら、 民法の基本的な原理、 仕組みを知るとともに、 民法という窓を通して現代社会を見ていきたいと思います。

講義のながれ
一、 民法とは?
 民法の成り立ち、 民法の指導原理
二、 総則…消費者被害事例を通して総則を学ぶ
 1. 悪質商法の事例紹介
   ねずみ講、 マルチ商法、 現物まがい商法、 霊感商法、 訪問販売、 etc.
 2. 民法総則の諸規定と消費者救済
   (1)未成年者の契約
   (2)成年後見制度
   (3)詐欺、 錯誤、 強迫と無効、 取消
   (4)公序良俗違反 他
三、 契約…消費者被害事例を通して契約を学ぶ
 1. 現代的な消費者被害事例の紹介
   サービス取引 (英会話、 エステ)、 証券
   取引、 先物取引、 変額保険、 etc.
 2. 契約に関する諸規定と消費者救済
   (1)契約の成立、 履行、 解除
   (2)クレジット契約の法律関係
 3. 消費者契約法
四、 不法行為…公害裁判例を通して不法行為を学ぶ
 1. 公害裁判の事例紹介
   熊本水俣病、 四日市ぜんそく、 大阪国際空港訴訟、 etc.
 2. 不法行為の規定と被害者救済
   (1)不法行為の成立要件
   (2)過失責任主義と無過失責任主義
   (3)差し止め請求権

学習条件・履修上求められるもの
 法律用語、 法律学に特有の概念などは、 日頃から、 耳で聞くなり、 眼で読むなりして、 ある程度慣れておかないと、 試験前にあわてて勉強しようとしても理解することは困難です。
できるだけ授業には出席し、 参考文献も活用して復習をするようにして下さい。

成績評価
基本的には学年末試験の結果をもとに、 夏休み課題レポートも加味して成績評価を行う予定です。

テキスト使用しません。 レジュメ、 資料を配布し、 それらに沿って授業を進めます。



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