医療福祉論T (昼) |
単位数 | 学年配当 | 開講形態 | 教員名 |
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2 | 2 | 前期 | 大 野 勇 夫 |
テ┃マ | 医療福祉の理論と医療ソーシャルワーカーの活動 〈一般診療科および精神科領域〉 |
講義のねらい |
医療福祉を理解しようとする場合、 もっとも重要なことはその対象把握である。 医療福祉の対象は患者一般ではなく 「貧困問題を中心とする生活問題」 であり、 その担い手であると考える。 医療福祉はその解決のための制度政策であり、 実践である。 医療ソーシャルワーカーは社会福祉の実践として対象者の存在権の保障のために活動するものである。 本講義は医療福祉をその歴史からそしてまた次の三つの実態から捉えようとするものである。 三つの実態とは、 医療福祉の対象の生活実態、 制度の実態、 実践の実態である。 講義を通して 「医療福祉とは何か」 を考え、 自分の言葉で説明できるようになることを目標としたい。 |
講義のながれ |
1 . 医療福祉はなぜ必要か−医療福祉の目的 生活の格差−患者・家族の貧困問題 2 . 各国における医療福祉の発生とその社会的背景 医療福祉の各国の資本主義の発達、 そこでの生活問題の発生に呼応している 3 . 戦後の実践の変遷 戦後の混乱期、 高度経済成長、 福祉見直しといった変化の中で医療福祉の実践はどう変わったか 4 . 医療福祉の対象 その 1 高齢者・身体障害者など 千葉県習志野市における生活実態調査を示しつつ医療福祉の対象を捉える 5 . 医療福祉の対象 その 2 精神障害者 愛知県西三河地方の PSW たちによる精神障害者の生活実態調査 6 . 医療福祉の制度 保健・医療機関における相談事業 その制度的展開 精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律・精神保健福祉士法 医療ソーシャルワーカーの業務指針 7 . 医療福祉の実践 その 1 一般診療科の医療機関・保健機関 ある医療ソーシャルワーカーの相談室の業務確立 その歴史的把握と課題 8 . 医療福祉の実践 その 2 精神科医療機関・精神保健機関 精神障害者の社会復帰に向けての多様な活動の課題 9 . ゲスト講義 精神保健福祉士の活動と課題 精神保健福祉士の専門的な力量とはなにか 活動の課題は 10. 医療福祉の概念−医療福祉とは− 具体的な実態を想起しながら医療福祉の概念を考える 11. これからの医療福祉 人権論と生存論 ソーシャルワーカーの責任は生存権保障であること そのための社会的活動への展望を示す |
学習上の留意点 |
授業を学生と共に作っていきたいと思っている。 理解しにくいこととか、 納得できないこと、 疑問点など積極的に申し出ていただきたい。 |
成績評価 |
予定としては、 試験を行うつもりだが、 試験だけでなくリアクションカードとかレポートも提出していただき総合的な評価をしたい。 |
テキスト | 大野勇夫 『新 医療福祉論』 ミネルヴァ書房 |
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