児童福祉論 (保)

単位数学年配当開講形態教員名
42通年長谷川 眞 人

テ┃マ児童虐待防止法・少年法改正と子ども人権・子ども権利擁護

講義のねらい
 「子どもの権利条約」 が批准され、 1998 年 6 月に日本に対して国連・子どもの権利委員会から 「日本政府への勧告」 が出されました。 日本政府がどのようにこれに答えていくかが問われます。 児童福祉も 1998 年 4 月 1 日から 「改正児童福祉法」 が施行されました。
 最近の児童問題については、 平成 12 年 5 月に児童虐待防止等に関する法律が成立し、 さらに、 11 月には少年法改正が成立しました。 これらの法律の内容を見てみると、 十分に議論をされた中身とはなっていない点が指摘されています。
 これらの問題点も視野に入れて、 講義のなかで、 最近における児童虐待や子ども人権、 子どもの権利擁護についても、 関係機関の動向も含めて学んでいただきます。
 児童福祉論では 「子どもの権利条約」 時代の児童福祉として、 新たな角度から児童福祉のしくみや児童福祉の歴史、 行政機関の役割等講義のながれに添って児童福祉対策の現状等を総合的に学んでもらう。
 できるだけ児童福祉にかかわる問題についての正しい認識と社会福祉士国家試験における児童福祉論対策及び児童福祉施設現場へ就職する人に役立つ内容にしていきたい。

講義のながれ
(前期)
第 1 週    児童福祉とは・児童福祉の定義・児童福祉法について
第 2 週    「子どもの権利条件」 と児童福祉
第 3 週    「改正児童福祉法後の施設の展望を考える」
〜児童福祉法が改正され施設にどのような変化があったのか〜
第 4 週    児童虐待防止法・少年法改正における問題と課題
第 5〜7 週  現代の子どもをどうとらえるか
〜地域・文化・虐待・非行・教育・障害・家族を中心に〜
第 8 週    児童福祉の歴史
〜戦後日本の児童福祉の歴史・児童福祉の理念と法律〜
第 9〜10 週  社会的養護の現在
〜児童福祉施設・里親・学童保育等の制度・現状・課題〜
第 11〜12 週 児童福祉と行政機関の役割
〜児童福祉の諸制度・行政機関の役割と現状〜
第 13〜14 週 児童福祉をになう人々
〜ネットワーク・職業としての児童福祉〜
(後期)
第 15〜16 週 子どもの権利保障と施設養護
 〜施設で暮らす子どもたちの権利保障・家庭養護と施設養護〜
第 17 週   施設養護の基本原理
 〜実践の場に具体的に結びつけるために〜
第 18 週   実践を豊かにするために
 〜実践記録を書くために〜
第 19 週   児童福祉施設における自立支援、 家庭支援について
第 20 週   子どもの権利保障と施設職員
 〜「子どもの権利条約」 時代の 「生活施設」 職員の 「働き方」〜
第 21 週   国際結婚の事例を通して国籍・国際法を考える
第 22 週   事例からみた児童福祉実践
第 23 週   エンゼルプランとこれからの児童福祉の方向
 〜育児支援対策・保育所 「改革」 と措置制度問題〜
第 24 週   少年非行と現代の青少年問題を考える
第 25 週   児童に関する手当・母子保健・母子福祉の現状と課題
第 26〜27 週 児童福祉論のまとめとミニテスト

学習上の留意点
 平成 12 年 5 月に虐待防止等に関する法律が成立、 11 月に少年法改正が行われました。
 内容については問題点が多く指摘されています。 いずれはそのつけが回ってくるものと思います。 これらの動きについては新聞やテレビ報道等で実態が示されることと思いますので、 毎日の新聞やテレビ報道等に注視してほしい。

成績評価
 試験の成績と、 途中でのレポート及び出席率等を総合評価する。

テキスト(1) 『テキストレジメ集』 自費出版
(2) 長谷川眞人・神戸賢次・小川英彦 『子どもの援助と子育て支援』 ミネルヴァ書房、 2001 年 3 月発行 (夏休みの課題図書とします。)


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