児童福祉論 (社)

単位数学年配当開講形態教員名
42通年木 全 和 巳

テ┃マ『子どもの権利条約』 時代の児童福祉−−−具体的な実現のために−−−

講義のねらい
 新しい世紀を迎えた。 エレン・ケイは、 20 世紀を 「子どもの世紀」 と宣言したが、 21 世紀を迎えても、 世界と日本の子どもたちを取り巻く環境は、 決して 「幸福」 とは言えない状況にある。 この講義では、 未解決のままに積み残した多くの困難と課題について、 『子どもの権利条約』 を指針とし、 その具体的な解決のための実践的営みとその意味について、 広く児童福祉分野を展望しつつ、 語ってみたい。 そして、 子どもたちの具体的な現実を提示しつつ、 新しい政策動向の変化の中で迷いつつ行われているそれぞれの現場での取り組みを対峙させながら、 『子どもの権利条約』 時代の児童福祉について、 考えてみたい。

講義のながれ
前期
1. 児童福祉論受講ガイダンス
2. 世界の子どもたちの現実:児童労働と少年兵士
3. 日本の子どもたちの現実:児童虐待
4. 日本の家族・家庭の現実:ドメスティック・バイオレンス
5. 児童福祉の歴史 (1):近代社会における 「子どもの発見」 と児童労働
6. 児童福祉の歴史 (2):「子どもの権利」 と施策の転回
7. 「子どもの権利条約」 (1):成立経過とその体系
8. 「子どもの権利条約」 (2):さまざまな実践
9. 児童福祉の制度と体系 (1):改定 「児童福祉法」 の体系
10. 児童福祉の制度と体系 (2):機関と行政
11. 児童福祉の制度と体系 (3):施設と実践
12. 児童福祉の制度と体系 (4):担う人々
後期
1. 児童養護問題と福祉施策 (1):児童養護施設、 乳児院
2. 児童養護問題と福祉施策 (2):里親制度
3. 一人親 (母子・父子) 福祉問題と福祉施策:母子自立支援施設
4. 母子保健問題と福祉施策
5. 情緒・行動に問題をもつ児童の福祉施策 (1):非行問題
6. 情緒・行動に問題をもつ児童の福祉施策 (2):情緒障害児短期治療施設
7. 心身障害問題と福祉施策:障害をもつ子どもたち
8. 保育問題と福祉施策
9. 学童保育問題と福祉施策
10. 児童の健全育成・子育て支援と福祉施策
11. 外国籍の子どもたち
12. 基礎構造改革下の児童家庭福祉のあり方

学習上の留意点
 毎回講義に即したレジュメ (サブテーマごとの参考文献付き) を配布します。 子ども虐待、 非行、 いじめなどの新聞報道にも、 興味関心をもってください。 子どもだった自分、 青年としての自分、 社会福祉専門職となりゆく自分を重ね合わせながら、 自分のことばで子どもや家族の福祉が語れるような学びを深めていって欲しい。

成績評価
 前期試験 (論述)、 夏休みの課題レポート、 後期試験 (知識)、 毎時の小レポート (出席) を総合して判定する。

テキスト竹中哲夫・垣内国光・増山均編著 『子どもの世界と福祉』 (改訂版) ミネルヴァ書房、 1999 年


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