社会福祉発達史 (保)

単位数学年配当開講形態教員名
42通年池 本 美和子

テ┃マ前近代−近代−現代への歴史の流れにおいて、 日本の社会福祉形成への歩みを理解する

講義のねらい
 現代の社会福祉は人類が有史以来追求してきた様々な生活支援の積み重ねの上に成立している。 それらの生活支援には、 一貫して人間の共同性および友愛の理念が示されている。 20 世紀の現代に成立する社会福祉は、 それまでの共同性、 友愛などの理念にもとづく生活支援をあらためて問い直し始めたところに端を発する。 「人間の尊厳」・「自由」・「自律にもとづく民主主義的な連帯」 という言葉は、 共同性や友愛の理念を現代的に再解釈したものであるといえる。 この現代的な解釈を基本として形成されるのが社会福祉である。 この講義では、 人類史を前近代・近代・現代と大きく 3 つの段階に分けて、 各段階の特質をふまえながら、 その時代が生み出した福祉の営みをとらえていく。 常に人類史の大きな流れをみすえながら、 日本の福祉の個別具体的事象を分析し、 その意味、 特質を考えていく。

講義のながれ
(前期)
 1 . 社会福祉の歴史とは
 2 . 福祉発展の 3 段階
 3 . キーワード
 4 . 前近代の生活援助
 5 . 儒教の徳治と仏教の慈悲
 6 . 地域相扶と公共救済
 7 . 前近代のまとめ
 8 . 近代社会の意味
 9 . 明治維新と恤救規則
10. 映像に見る慈善事業
11. 慈善事業の発展
12. 近代のまとめ
13. 予備
(後期)
 1 . 現代の意味
 2 . イギリスの社会福祉
 3 . スウェーデンの社会福祉
 4 . 映像に見る日本の 20 世紀
 5 . 感化救済事業と行政整備
 6 . 社会事業と社会連帯思想
 7 . 救護法の成立
 8 . 社会保険制度の成立と厚生事業
 9 . 戦前期のまとめ
10. 映像に見る敗戦時の日本
11. 戦後における社会福祉の再生
12. 社会福祉の本格形成
13. 現代のまとめ

学習上の留意点
 テキストの内容を基本とするが、 講義では予習を前提として進めるので、 分からないところを整理しておくこと。 その他、 日本史についての入門書をあらかじめ学習しておくことが望ましい。

成績評価
 筆記試験 (持ち込み不可) による。

テキスト池田敬正 『日本における社会福祉のあゆみ』 法律文化社


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