公共経済学

単位数 学年配当 開講形態 教員名
4 2 後期 中 西 悟 志

テ┃マ 政府の経済学入門

講義のねらい
 われわれの生活する社会では、 財・サービスの生産量の決定や所得の分配が、 主に分権的市場メカニズムにより決定されています。 しかし経済の発展につれて 「不完全競争」、 「公害」、 「所得分配の不平等」 といった市場メカニズムの機能不全があらわれてきました。 これらの問題に対して政府は、 いかなる対策をとるべきかを経済学により分析するのが本講義の第 1 の目的です。
 政府の役割が増大するにつれ政府の失敗といわれ得る問題があらわれてきました。 典型的な例としては、 少数の関係者にとってはともかく、 大多数の市民にとっては利益にならないような公的規制や公営事業の存在があります。 近年、 公共経済学では、 市場の失敗のみでなく政府の失敗にも目を向けるようになってきました。 本講義では、 この新しい研究動向についても紹介する予定です。
 高齢社会の進展につれて、 政府に新しい役割が期待されるようになってきました。 そこで本講義の後半では、 高齢社会における政府の役割について考えてみることにしましょう。 「医療政権」 と 「年金政策」 は代表的な対高齢者政策ですから、 詳しく解説することにします。

講義のながれ
前期
 1. 公共経済学とは何か
 2. 市場と資源配分の効率性
 3. 厚生経済学の基本定理
 4. 市場の失敗
 5. 競争均衡のパレート効率性 (1)
 6. 競争均衡のパレート効率性 (2)
 7. 不完全競争
 8. 費用逓減
 9. 外部性 (1)
10. 外部性 (2)
11. 公共財 (1)
12. 公共財 (2)
後期
13. 政府の失敗
14. 政府行動の経済分析
15. 民主主義の経済分析
16. 政党間競争
17. 利益集団の行動
18. 官僚制の経済分析
19. 医療政策 (1)
20. 医療政策 (2)
21. 医療政策 (3)
22. 年金政策 (1)
23. 年金政策 (2)
24. 年金政策 (3)

学習上の留意点
 公共経済学は、 ミクロ経済学の応用分野です。 ミクロ経済学を復習しながら公共経済学の学習をすすめるのが効率的だと思います。 なお、 当然のことながら講義中の私語は厳禁します。
 

成績評価
 講義期間中に 1〜2 回レポートを提出していただきます。 成績は学年末の定期試験とレポートを総合して評価します。 出席は、 成績に反映させない予定です。
 

テキスト スティグワッツ 『公共経済学 (上)』 東洋経済新報社、 1996 年


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