法 律 学

単位数 学年配当 開講形態 教員名
4 2 通年 岩 田 公 雄

テ┃マ 市民社会の法的カテゴリー (法的人格・所有権・契約) を通して法の見方・考え方を理解する

講義のねらい
 フランス革命に象徴される近代市民革命は、 「自由・平等・博愛」 を理念とし、 世界中に近代市民社会を形成していった。 この理念は、 法的には、 「法的人格・所有権・契約」 という三つのカテゴリーとして、 さらに極めて高度な言葉の技術として、 構成されていった。 この体系が市民法である。  けれども、 大量生産大量消費、 巨大企業、 生活の商品化、 隣人訴訟、 公害環境問題などで表現される現代市民社会は、 近代市民社会から発展したものの、 近代市民社会とは質的に異なった特徴をもつに至っている。
 そこで、 本講義では、 近代市民社会の 「法的人格・所有権・契約」 という三つの法的カテゴリーのもつ現代市民社会での意義と限界を研究する。 この研究の中で、 法の見方・考え方を理解して下さい。

講義のながれ
前期
 1 市民社会と法律
 2 本講義の構成
 3 法的人格−総説
 4 法的人格−自然人
 5 法的人格−法人
 6 法的人格−商法その他の法律による法人
 7 法的人格の意義と限界
 8 所有権−総説
 9 所有権の内容
10 用益物権と担保物権
11 物権の効力と物権の変動
12 所有権の意義と限界
後期
 1 契約−総説
 2 契約−財産権の移転を目的とする典型契約
 3 契約−物の利用を目的とする典型契約
 4 契約−労務の利用を目的とする典型契約
 5 契約−その他の典型契約
 6 契約−商法その他の法律による契約
 7 債権の目的と効力
 8 多数当事者の債権関係
 9 債権譲渡と債務引受
10 契約の意義と限界
11 不法行為
12 市民社会の第二次的保護手段としての刑罰
13 法的人格・所有権・契約の総括

学習上の留意点
 この講義は、 専門的知識の記憶ではなく、 法の見方・考え方の理解に重点があります。 だから、 考えることは極めて多くあります。 自ら六法をひもとき、 法の解釈を展開できるようになることを、 期待します。

成績評価
 成績評価は、 原則的に学年末の筆記試験によってのみ行います。 単に聴講するだけでなく、 質問・意見を述べて積極的に講義に参加することも評価します。

テキスト 平井宜雄・青山善充・菅野和夫編 『ポケット六法 平成 13 年度版』 有斐閣


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