地域福祉論

単位数 学年配当 開講形態 教員名
4 3 通年 野 口 定 久

テ┃マ 21 世紀を展望する地域福祉の理念と実践

講義のねらい
 いま、 わが国の社会福祉は、 介護保険制度の導入や社会福祉法成立等一連の社会福祉基礎構造改革の動きを基軸に、 大きな転換期をむかえている。 転換の内容として、 近年の地方分権や福祉サービス供給体制の多元化論を背景に、 基礎自治体における介護保険と地域自立生活支援等の地域トータルケアシステムの構築、 住民参加による地域福祉計画の策定、 介護保険サービスを含めた福祉政策評価、 利用者満足度による権利擁護・苦情解決・サービス評価システムの構築、 福祉サービス供給と利用に係わる契約・情報システムの開発等が求められている。
 本講義では、 現代社会がかかえる今日的課題を整理しながら、 複雑な社会環境状況に対応できる地域福祉の理念と新たな手法の開発、 そして個人・家族・地域・環境をめぐる社会変動を視野に入れつつ、 諸外国の社会サービス供給システムに学びながら、 現実の政策や実践を創造する地域福祉学の魅力をできるかぎり具体的に論じる。

講義のながれ
【前期】
 1 . 1 年間の講義の概要
 2 . 地域福祉を必要とする社会環境の変化
 3 . 現代における地域社会と生活の変容
 4 . 地域福祉の基盤としてのコミュニティ
 5 . 少子高齢社会と地域福祉
 6 . 地域福祉の対象と課題
 7 . 地域福祉の対象としての介護・人権問題
 8 . 子育て支援の方策と地域福祉
 9 . 地域福祉の発展過程 (イギリス・アメリカ)
10. 地域福祉の発展過程 (日本)
11. 地域福祉の概念
12. 地域福祉の構成

【後期】
 1 . 在宅福祉サービスの供給と推進
 2 . 在宅福祉サービスと施設福祉サービス
 3 . 地域保健・医療・福祉のシステムづくり
 4 . 介護保険と地域介護システム
 5 . 介護保険の諸課題と改善の方策
 6 . 介護保険の疑問に答える
 7 . イギリスのコミュニティケア政策
 8 . 北欧型の社会サービス提供の仕組み
 9 . 地方分権と地域福祉
10. 社会福祉法と地域福祉計画
11. 新・社会福祉協議会論
12. 地域福祉の主体形成と福祉 NPO、 ボランティア

学習上の留意点
 本講義では、 テキストを中心に介護保険等地域福祉の最新動向、 地域福祉実践等の事例をレジュメやビデオ等によって紹介する。 ときどき講義内容への疑問や講義の仕方などに応えながら、 わかりやすい講義内容に努める。 1 年間で地域福祉や社会福祉を理解しやすいように講義の流れを組み立てているので、 できるかぎり講義に出席することを期待する。

成績評価
 成績評価は、 後期の筆記試験だけで行う。

テキスト 野口定久 『改訂 地域福祉論』 へるす出版


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